キャサリン皇太子妃が動画を公開し、依存症に苦しむ人々に向けて「助けを求めることをためらわないで」と呼びかけた。この映像は、10月30日から11月6日にかけて行われる「Addiction Awareness Week(依存症問題啓発週間)」のキャンペーンである「Taking Action on Addiction(依存症への対策)」の応援メッセージだ。皇太子妃は、依存症回復を支援する慈善団体「フォワード・トラスト(Forward Trust)」のパトロンを務めている。

ウェールズ公夫妻の公式SNSが現地時間30日、「Addiction Awareness Week(依存症問題啓発週間)」の始まりを記念して、キャサリン皇太子妃からのメッセージ動画を公開した。

このキャンペーンは、皇太子妃がパトロンを務める慈善団体「フォワード・トラスト」をはじめとするチャリティ機関が一丸となって行動を起こすものだ。依存症に対する既存の認識を改めるとともに症状の原因や性質についての認識や理解を深め、偏見をなくし、より多くの人々が助けを求めたり受けることができることを目的としている。

今回の動画は、今月初めにケンジントン宮殿の一室で撮影された。キャサリン皇太子妃は、紺色に水玉模様を施したブラウスに黒いズボンを合わせ、クッションが並んだソファに座っている。

背後の棚の上には、フレーム入りの家族写真が飾られているのが見える。1枚はウィリアム王子(当時)夫妻と3人の子供達がヨルダンに家族旅行をした際の写真で、昨年のクリスマスカードにプリントされたものだ。

その隣には、ジョージ王子シャーロット王女の初登校日に撮影した写真が置かれ、一番左は夫妻が寄り添って微笑むツーショットが並んでいる。

皇太子妃はカメラに向かって、「依存症は年齢や性別、人種や国籍に関係なく、誰にでも起こり得る深刻な健康問題です」と語りかけた。

「フォワード・トラスト」のパトロンとして依存症の影響に苦しむ多くの人々に会ってきたという皇太子妃は、こういった人々への周囲の対応を変えなければいけないと伝えた。

「依存症に対する考え方は変わりつつあります。しかし私達はまだそこに到達しておらず、その必要があるのです。依存症であることを恥じる人々や家族は、助けを求めることを阻んでしまうのです。そのために人々が悲劇的に命を落としているのです。」

そして「我々社会が苦しんでいる人達を助ける唯一の方法は、彼らがなぜ依存症になったのかを理解しようとすることです。彼らに共感し、彼らの苦悩に思いやりを持つことだと認識する必要があるのです」と説明した。

さらにその後、依存症に苦しむ人々に向けて「どうかこのことを理解してください。みなさんは依存症になろうとしたのではありません。誰もが依存症になることを選択しないのです。そしてこれは深刻な健康状態であることも知っておいてほしい。恥ずかしいと思わず、どうしても必要な助けを得ることをためらわないでください」と呼びかけた。

動画を見たフォロワーからは、「ありがとう。大切な人を依存症で亡くした私にとって、これはとても意味があることよ」「彼らに望みを与えてくれて感謝します」「なんてパワフルなメッセージ」といったコメントが多数寄せられている。



画像は『The Prince and Princess of Wales 2022年10月30日付Instagram「Today, during #AddictionAwarenessWeek」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)