キャサリン皇太子妃がウェストミンスター寺院で主催した「クリスマス・キャロル礼拝」のもようが現地時間24日、英ITVで放送された。イベントでは英国を代表する音楽家や俳優らがパフォーマンスや朗読などを披露。ウィリアム皇太子は2012年に故エリザベス女王が読み上げたクリスマスメッセージの一部を朗読した。

現地時間24日、英ITVでキャサリン皇太子妃が主催したクリスマス・キャロル礼拝『Royal Carols: Together at Christmas』のもようが放送された。イベントの様子は現地時間15日、ロンドンのウェストミンスター寺院で録画したものだ。

当日はキャサリン皇太子妃ウィリアム皇太子息子ジョージ王子娘シャーロット王女を伴って参加したほか、チャールズ国王カミラ王妃をはじめとする王室メンバーや、皇太子妃の実家であるミドルトン家の家族、慈善団体のスタッフや地域ボランティア、軍人など1800人以上が出席した。

礼拝の冒頭では皇太子妃によるビデオメッセージが流され、故エリザベス女王に対する敬意と感謝の気持ちを述べた

チャールズ皇太子とカミラ王妃を含む王室メンバーが寺院の席に着くと、礼拝が開始。天才ピアニストで作曲家として知られるアレクシス・フレンチ(Alexis Ffrench)が演奏すると、グランドピアノの上に女王の姿が映し出された。

その後、歌手のクレイグ・デイヴィッドやアルフィー・ボー、「スパイス・ガールズ」のメラニー・Cなどがクリスマス・キャロルを披露。女優ジュディ・デンチなど著名人からのクリスマスメッセージが流された。

今回のイベントで人々の心に響いたのは、ウィリアム皇太子による朗読だろう。それはエリザベス女王が即位60周年記念「ダイヤモンド・ジュビリー」を迎えた2012年のクリスマスメッセージを一部引用したものだった。

皇太子は「クリスマスになると私はいつも、クリスマスの物語の中心には一体感の精神もあるのだということに気付かされるのです」と読み、こう続けた。

「赤ちゃんを連れた若い母親と従順な父親に、貧しい羊飼いや遠方からの訪問者が加わりました。彼らは贈り物を携えてキリストの子を拝みに来たのです。」

そして「その日以来、神は人々に、他者の最善の利益のために自らを捧げるよう鼓舞しました。この時期に私達は、神が奉仕してもらうためではなく、奉仕するために幼子をこの世に送り込んだことを思い出すのです」と加えた。

またクリスマス・キャロル『In The Bleak Midwinter』の歌詞に触れ、このような言葉を述べた。

「このキャロルは、神がいかに謙虚な奉仕のために自分自身を捧げたかという、クリスマスの物語を知る私達全員への問いかけで終わります。『私のような貧しいものは、幼子イエスに何を差し上げられるのだろう?』」

そしてアレクシスによる美しいピアノ演奏が流れ始める中、皇太子は『In The Bleak Midwinter』の歌詞を引用して朗読を続けた。

「『もし私が羊飼いなら、子羊を捧げるだろう。賢者であれば、役割を果たすだろう』。このキャロルが、その答えを教えてくれる。『私にできることは、神に捧げることだ。私の心を捧げます』」



画像は『The Prince and Princess of Wales 2022年12月15日付Instagram「A joyous evening at Westminster Abbey for the #TogetherAtChristmas Carol Service!」』『Westminster Abbey 2022年12月24日付Twitter「Watch highlights from the #RoyalCarols」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)