ヘンリー王子の回顧録『Spare(原題)』の発売に先立ち、英国と米国で王子へのインタビュー番組が放送された。英ITVの番組で王子は、メーガン妃とキャサリン妃(現・皇太子妃)は初対面の時から馬が合わなかったと明かし、その理由はウィリアム王子夫妻(当時)が、メーガン妃に対する「アメリカの女優」だという固定観念を抱いていたからだと主張した。


ヘンリー王子の『Spare』発売を2日後に控えた現地時間8日、英米のニュースキャスターによる王子へのインタビュー番組が放送された。

米CBSの人気番組『60 Minutes』では、アンダーソン・クーパー氏がインタビューを担当。英ITVの特別番組『Harry: The Interview』では、同局の元王室担当記者で、現在はITVの『News at Ten』のキャスターを務めるトム・ブラッドビー氏がインタビューを行った。

王子は長年の友人でもあるブラッドビー氏と向かい合って座ると、回顧録に記した内容についての質問に答え始めた。

90分に及ぶインタビューでは、2021年に故エディンバラ公フィリップ王配の葬儀後、兄ウィリアム王子(以下、当時)が故ダイアナ妃に関する禁断の言葉を口にしたことなど、当時のことを回想した。

その中でヘンリー王子は、ウィリアム王子キャサリン妃(以下、当時)がメーガン妃に対して「固定観念を抱いていた」と主張したのである。


ヘンリー王子によると、ウィリアム王子夫妻はメーガン妃が出演した米ドラマ『SUITS/スーツ』のファンだったそうだ。しかしメーガン妃とキャサリン妃は、初対面のその日から仲良くなれなかったという。

ブラッドビー氏が、2人の関係が上手く行かなかった理由について尋ねると、ヘンリー王子は「たくさんの異なる理由があった」と言い、「彼らは、僕がメーガンのような非常に成功したキャリアを持つ人物と交際することを、予想していなかったと思う」と説明した。

そして「そこには、多くの固定観念があった。最初は、僕もその罪を犯していた1人だった」と述べ、こう続けた。

「当時イギリスのメディアは、“アメリカの女優”ということを大々的に取り上げていた。
そして僕も、心の奥底でそう思っていた。」


ヘンリー王子は、メーガン妃が“アメリカの女優”であるという世間の固定観念を、ウィリアム王子とキャサリン妃も抱いていたと感じたそうだ。そう気付いた理由については、次のように説明している。

「僕の兄と義理の姉の行動や態度のいくつかを見て、そう感じた。残念なことに彼女(メーガン)を紹介した時、そういった固定観念が小さなバリアを築いているように思えたんだ。」

王室メンバーが生活する宮殿には、毎朝各社の新聞が配達され、テーブルの上に並べられる。それらから目を背けることが難しい環境で育ったヘンリー王子は、こういったメーガン妃に対する固定観念がメディアによって植え付けられたものだと非難したのだ。

「アメリカの女優。
離婚歴がある。バイレイシャル。こういった異なる部分があり、それらが何を意味するのかということだ。もしあなたが僕の家族のように、英国のタブロイド紙を読みながら、人生を生きているとする。それは同時に、現実の人生よりも、タブロイド紙の中で生きる傾向にあるということなんだ。」

ブラッドビー氏によると、ヘンリー王子とキャサリン妃は、2003年にウィリアム王子とキャサリン妃が交際を開始した頃からの知り合いで、ヘンリー王子は彼女のことを姉のように慕っていたという。

メーガン妃と結婚後はウィリアム王子夫妻との4人でジョイント公務を行い、世間では「ファブ・フォー(Fab Four)」と呼ばれていた
しかしヘンリー王子は、この表現はメディアが作り出したものであり、競争を生み出す結果になったと批判したのだ。

王子は「僕達4人が一緒にいるのは、常に希望していたことだ。メーガンと会う前から、それが誰であろうが、4人が仲良くなれるのを願っていた」と、以前から将来は兄弟夫婦が一緒に行動することを夢見ていたと明かした。

しかしその望みは、メディアによって瞬く間に崩壊されてしまったという。

「だけどそれは、あっという間にメーガン対ケイト(キャサリン妃)の闘いとなった。公然と報道されたら、隠れることもできないよね? 特に僕のファミリーでは、すべての宮殿内に新聞がずらりと並べられているんだから。」

画像2、3枚目は『Chris Ship 2023年1月7日付Twitter「NEW clip from the @ITV Prince Harry interview as he talks about grieving his mum.」、2023年1月9日付Twitter「The Prince Harry interview on @itv last night」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)