ヘンリー王子(38)が、回顧録『Spare(原題)』のプロモーションのため米人気トーク番組にゲスト出演した。王子は番組の冒頭で流れたスケッチコメディーで俳優トム・ハンクス(66)と共演し、王室の伝統を揶揄するコントを演じた。するとSNSで「ヘンリーはユーモアのセンスがある」と称賛するコメントが溢れたものの、英国では「恥ずべきだ」「侮辱的な行為」と批判が殺到した。

現地時間10日夜、米CBSで放送した『ザ・レイト・ショー・ウィズ・スティーヴン・コルベア(The Late Show with Stephen Colbert)』にヘンリー王子がゲスト出演した。

王子は同日発売した回顧録『Spare(原題)』の内容について司会者のスティーヴン・コルベア(58)とトークを繰り広げたが、番組のオープニングで流されたスケッチコメディーでは、ヘンリー王子がトム・ハンクスと共演したのである。

映像が始まると、スタジオのバックステージに立つスティーヴンが、時計を見ながら「彼はどこだ?」とそわそわした様子でいる。

スティーヴンの背後では、ロンドン塔の衛兵隊“ビーフィーター”のような制服を着た2人の男性が立っている。彼らが胸に付けているのは、国王のロイヤル・サイファー(組み合わせ文字)「CR(チャールズ・レックス)」をパロディにした「LS(レイト・ショー)」と記したボードだ。

すると手前からスタッフが現れ、「今から来ます。来ますからね」と言いながら慌ただしく走り去って行った。

そして衛兵隊に扮した2人がトランペットでファンファーレを演奏し始めると、ヘンリー王子が通路に敷かれたレッドカーペットを歩きながら颯爽と現れたのだ。

王子は両手を広げながら「ワオ、ワオ、ワオ。ストップ、止めてくれ」と演奏を止めるように言い、「スティーヴン、こんな必要はないのに。だけどありがとう。感謝するよ」と両手を胸に当てて感激した様子で伝えた。

しかしスティーヴンは「何を言ってるんだ? これは君のためじゃないんだ!」と怒り出し、「ここから出て行け! 今から彼が来るんだ!」と手を振ってヘンリー王子を追い払った。

王子が戸惑った表情でいると、後ろからトムが登場。満面の笑みを浮かべ、大きく両手を広げながら「戻って来たよ! 僕のためのファンファーレは?」と催促したのである。

すると再びファンファーレが演奏され、ヘンリー王子がトムの体にバラの花びらを振りまく場面で映像が終了する。

この後ヘンリー王子がスタジオに現れると、観客はスタンディングオベーションで歓迎した。王子は用意された2つの椅子を指さし、「この椅子と、スペア(予備)の椅子だね」と自身の回顧録のタイトルに関するジョークを放った。


ヘンリー王子がコントに挑戦する姿に、SNSでは「質の高いユーモアだ」「ヘンリーが良いユーモアのセンスを持っていて良かった」「オーマイガー! 爆笑させられた」「バラの花びらをまくヘンリーの姿に、腹を抱えて笑った」と称賛のコメントで溢れ返った。

その一方で、王室の伝統を揶揄したコメディに対し、英国では批判の声が殺到する結果となった。

「信じられないくらいに恥ずかしい。エリザベス女王がすでに他界し、これを見ることがなくて良かったよ。」
「これは絶対に恥ずべきことだ。トム・ハンクスもこのような侮辱的な行為の当事者であることを恥ずべき。ヘンリーはどこまで卑屈になれるんだ。どうやら王室だけでなく、自国をも嘲笑するほど落ちぶれたようだ。吐き気がする。」
「ヘンリーは最悪のやり方でハリウッドセレブになりたがっている。憧れられ、崇拝され、もてはやされたいんだ。しかし彼のやっていることは、ただ哀れに見えるだけだ。」



画像2、3枚目は『The Late Show 2023年1月10日付Instagram「Colbert and the #Spare.」』『The Late Show 2023年1月11日付Twitter「Where is he?!」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)