ヘンリー王子が英メディアのインタビューに応じ、自身の回顧録『Spare(原題)』について語った。王子は、当初掲載するはずだった、兄ウィリアム皇太子や父チャールズ国王とのいくつかのエピソードを削除したと告白。
しかし他のエピソードを載せたことで、「王室は絶対に僕を許さないだろう」と明かした。そして家族に向かって「僕は家族を喜んで許す。話し合いがしたい」と述べると、妻メーガン妃への謝罪を要求した。さらに王子は、家族に「妄想的でパラノイド」と呼ばれたとも主張している。

英メディア『The Telegraph』が現地時間13日、ヘンリー王子への独占インタビューを掲載した。インタビューはヘンリー王子の回顧録『Spare』が発売される前、同メディアの記者ブライオニー・ゴードン氏が米カリフォルニア州モンテシートに渡米して行った。


王子の回顧録は今月5日にスペインで流出し、10日には正式に発売開始。兄ウィリアム皇太子との兄弟間の確執や、父チャールズ国王との親子関係など衝撃的な内容が次々と明らかになった。

ヘンリー王子は同著の制作にあたり、ゴーストライターにピューリッツア賞受賞作家のJ.R. モーリンガー氏(J.R. Moehringer)を任命していた

王子はモーリンガー氏と打ち合わせをした時、本に掲載できないほどの秘話を明かしたそうで、「僕はJR(モーリンガー)と様々な話を共有する中で、『いいかい。これは文脈のために話しているだけで、本に載せるのは絶対にあり得ない』と言ったこともあった」と述べた。

しかし最初に仕上がった原稿は約800ページにも及んだため、最終的に半分の約400ページに収めることになった。
王子は当時を振り返り、「大変だったのは、(多くのエピソードを)取り省く作業だった。あのままだったら、2冊の本になっていたかもしれない」と打ち明けた。

さらに王子は削除したエピソードの中に、父と兄に関する出来事があったことを明かしたのだ。

「そこには様々なエピソードがあった。特に僕と兄の間や、僕と父との間で起こったことだった。ただ彼らが許してくれるとは思えないから、世間に知られたくなかった。」

だが王子は家族のことを出さずに自身のストーリーを伝えるのは不可能と感じたそうで、「なぜなら彼らはこの本の中で非常に重要な役割を果たしているから。
それにあなた方(読み手)がこの本に登場する全員のキャラクターや個性を理解する必要があるからだ」と加えた。

そして発売された同著では、ヘンリー王子がウィリアム王子(当時)から身体的暴力を受けたことやチャールズ皇太子にカミラ夫人(ともに当時)と「結婚しないでほしい」と懇願したことなどを暴露した。

このことについてヘンリー王子は「みんなは、僕が本に載せたことのいくつかについて議論するだろう。いずれにしても彼ら(王室)は絶対に僕を許さないよ」と述べた。

続けて王族である自身の家族に向かって、このようなメッセージを投げかけたのである。

「だけど僕は、あなた達がしたことのすべてを喜んで許すつもりだ。
実際に僕と向かい合って話して欲しかった。僕のことを『妄想的でパラノイド(偏執症者)』などと呼ぶのではなく、実際に席を共にしてこの件について適切な会話をしてほしいんだ。」

そう語った後、家族に向けて「僕が本当に望んでいるのは責任説明だ。そして妻への謝罪だ」とメーガン妃に謝ることを要求したのである。

さらに王子は「あなた達は自分が何をしたか、なぜそうしたかも分かっている。尻尾をつかまれたのだから、白状するんだ」と強く呼びかけた。

なおヘンリー王子がどのような出来事に対し、メーガン妃への謝罪を求めているのかは明らかになっていない。


しかし王子は、回顧録の内容によって「君主制を崩壊させようとしているのではなく、そこから彼らを救おうとしているんだ」と述べている。

そして「もっと早く、人々が耳を傾けてくれていたら」と言い、自分が最初に(王室に対する)懸念を表明した時に話を聞いてもらうことができていれば、「家族との溝がこれほどまでに広がらなかった」とも明かした。

画像2枚目は『Misan Harriman 2022年10月3日付Instagram「The Duke & Duchess of Sussex moments before attending the opening ceremony of @OneYoungWorld last month.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)