コンビ結成15年以内の漫才師による頂上決戦「M-1グランプリ2023」の開催会見が27日、東京・渋谷のヨシモト∞ホールにて実施された。2022年度王者のウエストランドをはじめ、昨年のファイナリストからロングコートダディ、ヨネダ2000、オズワルド、キュウ、ダイヤモンド、そして初のファイナリストを狙うビスケットブラザーズ、ななまがり、ママタルト、シンクロニシティが登場した。
これだけの芸人が揃うと、なんとか爪痕を残そうと自身の持ち時間にギャグやエピソードなどを次々に披露し、ある意味カオス状態となった。

今年の王者を目指して登場した9組。会見のMCは川島明(麒麟)と斎藤真美ABCテレビアナウンサーが務めたが、このまとまりのつかないメンバーを生放送の帯番組で芸人たちを仕切っている川島が安定の司会ぶりで進行した。


昨年は過去最多の7261組がエントリー。そんななか激戦の末に王者に輝いたウエストランドは優勝後仕事が増えたが、毒舌を放つ井口浩之は「ネタがネタだっただけに会う人会う人、気まずいというか…」と早速ぼやく。相方の河本太は「また井口ひとりの稼働が増えてきた」そうで、この後は井口は別の仕事が2本あるが、河本は「ちょっと太ったので、渋谷から阿佐ヶ谷まで歩いて帰ります」と言って驚かせた。



4年連続で決勝の舞台に立ったオズワルドは、今年こそ悲願の優勝を狙っていると思いきや「エントリーはするんですけど、6月27日現在ネタなんてありゃしない」と伊藤俊介。昨年は敗者復活で決勝に進出したが、終わった後に伊藤の元に「(おなじく敗者復活を狙っていた)令和ロマンに謝れ」と多数のDMが届いたという。伊藤の家族のグループLINEでも「令和ロマンが面白かった」、相方・畠中悠の実の父までもが「令和ロマンの方が面白かった」と評していたとのこと。それでも今年は移動時にグリーン車へ格上げになったそうだ。

さらに「今年はガラリと変わっている」と言い出した畠中は、「トレードマークの八重歯を抜きました。サスペンダーもやめて、最近フェイシャルマッサージに行っています」と詳細を明かして「きれいになって。
7キロ痩せました」と得意気。伊藤も「日に日に相方が美しくなっていく」と笑わせた。


またキュウは、昨年は“キュウの呪い”ならぬ“キュウの奇跡”が起こったと力説。「9年目で出番が9番目で9時9分にネタが終わって9位。エントリーナンバー3402は3、4、0、2を足すと9」と説明し、「決勝は2022年12月18日を全部足すと18。それを足すと9…」と半ば強引に9にすると、今度はウエストランドの画数まで持ち出して9を次々に絡めていった。



他にもダイヤモンドは、昨年の決勝当時骨折していた野沢輸出が先日体から摘出したボルトやネジを持参して披露、相方の小野竜輔が「体に重りが入っていたので、(それを抜いた)今年のダイヤモンドはスピードがあると思う」と自信をのぞかせ、ヨネダ2000はギャグを一文字ずつ長い間を開けて披露し抜群の度胸を垣間見せた。ママタルトは大鶴義丹似の大鶴肥満が義丹の元妻マルシアとの交流を明かし、キングオブコント2022の王者・ビスケットブラザーズは原田泰雅が「(今回は)ヒーローとしてM-1に挑む」と意気込むと、ラストイヤーのななまがりは小道具持参でパラレルワールドのネタを展開、男女コンビのシンクロニシティは昨年はフリーだったが今年は吉本興業に所属して臨むが、優勝できなければ吉本を辞めると覚悟を決めた。


最後はロングコートダディの兎が全員を代表して「M-1グランプリ2023、みんな一言一言にパワーを込めて、思いで戦え! 開幕!!」と高らかに開幕宣言。相方の堂前透が「マジでこいつとならどこまでも行けますわ」と芝居がかって言い、爆笑を誘った。


「M-1グランプリ2023」は同日から8月31日までエントリーを受け付ける。一回戦は8月1日にスタート。
今年も王者の称号と優勝賞金1000万円を目指して、漫才師たちがしのぎを削る。
(TechinsightJapan編集部 取材・文:関原りあん)