イギリスのある男子中学生が、学校から「髪形が奇抜すぎる」と言われ、反省部屋で丸一日過ごしたあげく髪を切ることを余儀なくされた。男子中学生は学校の方針に同意できなかったが、最終的には納得のいく形で髪をばっさりカットしたという。
ウェールズのニュースメディア『WalesOnline』などが報じた。

マレットヘアとは、前髪やサイドは短く、襟足だけを長く伸ばしたヘアスタイルのことだ。「性別を問わない髪形」として1970年代から1980年代にかけて流行し、欧米のミュージシャンやハリウッドスターがマレットヘアにして、一大ブームを巻き起こした。流行が過ぎた1990年代になると「世界一ダサい髪形」と言われるようになったが、近年は再び海外セレブやモデルの中で注目されている。

このマレットヘア、オーストラリアのいくつかの学校では禁止しているというが、このほどイギリスの学校でマレットヘアが同国で再流行して以来、初めて規則違反とされた。

学校の規則で髪形を変えざるを得なかったのは、英タインアンドウィア州サンダーランド市にある「セント・エイダンズ・カトリック・アカデミー(St Aidan’s Catholic Academy)」に通う、トビー・クインさん(Toby Quinn、15)だ。


トビーさんの母親で美容師として働くナオミさん(Naomi、47)によれば、学校が生徒の髪形の方針を変更し、そのためトビーさんの髪形が極端なものとみなされることになったという。

学校からは、トビーさんの髪形について「プロフェッショナルではない」と言われたそうだが、ナオミさんは「なぜ15歳の子どもにプロフェッショナルである必要があるのか分からない」と疑問を投げかけた。

マレットヘアが原因で、トビーさんは学校にある反省部屋で丸一日過ごす羽目になったが、以前にも髪の毛のサイドやバック部分を短く刈り上げる「スキンフェード」というヘアスタイルにして、同じ罰を受けたことがあった。その時は髪が短すぎるという理由で罰せられたそうだ。

ナオミさんによると当時、スキンフェードにしたトビーさんに対して学校は「禁止」と言ったにもかかわらず、なぜか今ではスキンフェードが許されているという。

つまり学校側は、一人だけ奇抜な髪形をしているトビーさんを罰するために、髪形のルールをその都度変更しているようだ。


そして9月末頃、トビーさんはマレットヘアを「1週間以内に切るように」と言われた。しかし、トビーさんがマレットヘアを切ってチャリティーのための寄付金を集める計画を明かしたところ、学校側は期限を2~3週間以内に延ばしたという。

ナオミさんによると、トビーさんはマレットヘアを切ることに全く同意していなかったが、延長された期間の中で折り合いをつけることができたという。また、学校の規則に従って髪を切らなければならないという不条理な状況だったが、前向きなことを行うのはトビーさんの助けになったそうだ。

トビーさんは10月初旬、ソーシャルプラットフォーム「JustGiving」で寄付を募るためのページを立ち上げた。チャリティーの目的は、2022年に祖父の命を救ってくれたニューカッスル市にある「フリーマン病院(Freeman Hospital)」の心臓病棟を支援するというものだった。
そこにはチャリティーに真剣に取り組む証として、トビーさんがマレットヘアを切るという個人的なチャレンジを行うことも述べられていた。

そして10月24日、トビーさんは予告通り、マレットヘアをばっさりカットした。チャリティーの目標金額は200ポンド(約3万7000円)だったが、654ポンド(約12万1000円)の寄付を集めることに成功した。


このニュースには、「髪を切るように言われたことには納得できない。でも、この状況をポジティブなものに変えられたのは素晴らしいこと。髪の毛はまた生えてくるからね」「彼は学校の規則を知っていながら、その限界に挑戦しようと思っていたのかな?」といったコメントがあがっている。


なお、テックインサイト編集部ではセント・エイダンズ・カトリック・アカデミーに、トビーさんに対して髪形を変えるようにと決定を下した理由や、同校の髪形のルールなどをうかがうべく取材を申し入れている。

画像は『Metro 2023年10月26日付「Schoolboy’s mullet so ‘extreme’ he was put in isolation and made to chop it off」(Picture: Naomi Jenkins/SWNS)、2018年2月22日付「What is a ‘Meet me at McDonald’s’ haircut?」(Picture: Twitter)、2018年9月13日付「Boy, 6, banned from school because his mohawk could ‘poke someone in the eye’」(Picture: Michael Scott/Caters News)』『The Daily Star 2023年10月26日付「Lad’s ‘extreme’ mullet lands him isolation at school who ordered he got the chop」(Image: Naomi Jenkins / SWNS)』『real fix 2018年1月8日付「Mum Outraged After Charity Head-Shave Daughter Is Put In Isolation At School」』『Inside Edition 2017年8月22日付「School Blocks 4-Year-Old Boy With Long Hair From Attending:‘It’s Outrageous and Outdated’」』『IOL 2016年1月19日付「Rasta boy misses school over dreads」(Picture Cindy Waxa.Reporter Ilse/Argus)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 H.R.)