タイのスワンナプーム国際空港で今月5日、生きた小動物3匹をズボンの中に入れ、台湾行きの飛行機に搭乗予定だった男が保安検査場で逮捕された。男の股間部分が膨れあがり、何かが蠢いていることに職員が気付いたという。
タイのニュースメディア『Thaiger』などが伝えた。

タイのスワンナプーム国際空港で逮捕されたのは22歳の台湾出身の男で、バンコクのマーケットでコツメカワウソ2匹とプレーリードッグ1匹を安く購入し、台北行きのタイ国際航空TG632便に搭乗予定だった。

男は3匹をトランクスの中に忍ばせていたそうで、保安検査場の職員が異様に膨れた股間がモゾモゾ動くのを不審に思い、X線検査装置のスタッフに警告したという。そして検査装置がズボンの中に隠された動物を捉えると、男はさらなる検査を受けるため別室に連れて行かれた。


驚くことに男は、3匹を3本の黒いストッキングに詰め込んで上部を縛り、ズボンのウエスト部分にビニールテープを巻いて固定していたそうで、別室での検査の様子は動画に収められた。


カメラは男がハサミを使い、ストッキングを切り離してトレーに入れる様子を捉えており、ストッキングの中の動物が身をよじってもがいているのが分かるのだった。



なおコツメカワウソは東南アジアに生息し、カワウソの仲間(カワウソ亜科)13種の中で最も小さいという。近年はペットとして注目されて密輸が急増し、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで「近い将来絶滅の危機が高まる可能性がある“危急種(VU)”」に指定されている。


一方、プレーリードッグは北米に生息し、IUCNは5種のうち2種を「絶滅の危機が高い“絶滅危惧種(EN)”」に指定している。

そのため男はタイの関税法違反、動物保全・保護法違反、動物伝染病予防法違反の疑いでそのまま身柄を拘束され、3匹の動物たちは野生生物保護事務所によって保護された。もし男の有罪が確定すれば、動物保全・保護法違反の罪だけでも最長で10年の懲役、もしくは最高100万バーツ(約407万円)の罰金、または両方が科せられることになるという。

タイは違法な野生生物取引の主要中継拠点となっており、生きた動物が中国に密輸されることが多いと言われる。
しかし、スワンナプーム国際空港の税関のスポークスマンはこれを否定し、「我々は飛行機に動物を持ち込もうとするものは誰であっても捕まえてみせますよ」と力強く語っていた。


ちなみに今年10月には、タイのバンコクを出発し、台湾の台北に向かっていたベトナムの格安航空会社「ベトジェットエア(VietJet Air)」内でカメやヘビ、マーモットなど30匹以上もの動物が見つかったばかりだった。スワンナプーム国際空港の保安検査のスタッフが、手荷物を適切に検査しなかったという。



画像は『กรมอุทยานแห่งชาติ สัตว์ป่า และพันธุ์พืช 2023年12月5日付Facebook「เจ้าหน้าที่กรมอุทยานฯ สนธิกำลังหน่วยงานที่เกี่ยวข้อง」』『Metro 2023年10月5日付「Otter and rat cause absolute havoc on flight after escaping from hand luggage」(Picture: ViralPress)、2021年4月28日付「Bird smuggler taped 35 live finches stuffed in hair curlers to his body for 5-hour flight」(Picture: US Attorney’s Office for the Eastern District of New York)、2018年5月2日付「Vet ‘stitched liquid heroin’ into live puppies to smuggle it across border」(Picture: AP)』English Russia 2018年3月21日付X「Man tried to smuggle 24 packages of.. vodka from China to Russia, made special vodka vest, got caught on the customs because looked too fat and nervous」』『LADbible 2021年3月23日付「Two Men Caught Smuggling £278k Worth Of Gold And Cash Under Wigs」(Credit: SWNS)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)