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北陸地方は、梅雨の最盛期となる見込みです。この先しばらくは、局地的な短時間強雨や土砂災害に十分注意して下さい。

梅雨の最盛期 特に30日以降は強い暖湿流が次々と流れ込んで梅雨前線の活動が活発化 大雨リスクの高い危険な気圧配置が続く

北陸 梅雨前線は日本海まで北上 梅雨の最盛期へ 短時間強雨や土砂災害などに注意

梅雨前線は日本海まで北上、北陸地方は、このあと梅雨の最盛期となる見込みです。特に30日以降は強い暖湿流が次々と流れ込んで梅雨前線の活動が活発となるでしょう。気圧配置は、「日本海から北陸地方に東西に連なるように前線が停滞する」または「日本海から北陸地方を前線が南下する」気圧配置になりますので、大雨に注意・警戒が必要です。

局地的に短時間の激しい雨や雷雨、低地やアンダーパスなどの浸水、河川や用水路などの増水、落雷、竜巻などの激しい突風などには十分注意して下さい。また、総雨量が多くなることが予想されます。土砂災害にも十分に注意・警戒して下さい。

大雨の警報級の可能性 今夜は新潟の下越、石川の能登が中心 30日~7月1日は4県全域が対象

北陸 梅雨前線は日本海まで北上 梅雨の最盛期へ 短時間強雨や土砂災害などに注意

今夜から明日28日にかけて、北陸地方の下層には暖かく湿った空気が流れ込むでしょう。一方、上空約9000メートルには氷点下33度以下の寒気が流れ込んで、北陸地方は大気の状態が不安定となる見込みです。新潟の下越や石川の能登を中心に、雷を伴って1時間に40ミリ以上の激しい雨が降り雷雨となる所もあるでしょう。また、29日以降も引き続き雨量が増える可能性があります。十分注意して下さい。

その後、30日~7月1日頃は、北陸地方の4県全域で前線の停滞により、総雨量が多くなる見込みです。

梅雨前線の活動の程度によっては広い範囲で警報級の大雨となりそうです。

大雨となるまであまり時間はありませんが、今一度下記を確認して下さい。

① 最新のハザードマップをみて、避難場所や避難経路の確認をしておきましょう。複数の避難場所や避難経路を念頭に入れておくことも大切です。
② 非常用の持ち出し品は、リュックなど両手が使えるものに入れて、すぐに持ち出せる所においてください。
③ 自宅周辺の側溝など排水が問題なく行われることを確認しておきましょう。

石川県の珠洲市と能登町 大雨警報・注意報の発表基準(土壌雨量指数基準)を引き下げた運用を継続中

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5月5日、石川県能登地方の地震により、揺れの大きかった珠洲市と能登町は、大雨警報・注意報の発表基準(土壌雨量指数基準)を引き下げて運用しています。これらの地域では、少しの雨でも土砂災害が発生しやすい状態が継続していると考えられます。急な斜面や崖の近くなど、危険な場所には絶対近づかないようにしてください。

過去84年で北陸で最も雨が多く降った日は?

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福井・金沢・富山・新潟の4地点全ての日別降水量が確認できる1939年から2022年までの84年間に関して、同一日毎に84年分の日降水量の合計を計算し、その多寡を調べました。それによると、上位3位以内では、6月下旬から7月中旬の期間の降水量が最も多くなっていました。中でも7/12は金沢と富山で1位、福井で2位など、3県でトップ3にランクインしており、84年間で最も雨が降った日と言えそうです。



北陸地方の梅雨明け平年日は7/23となっています。これから約1か月間は特に大雨に注意が必要な期間となっています。梅雨の晴れ間は貴重となりますが、自宅周辺の側溝などこまめに掃除を行う習慣を付けて下さい。

湿度が高いこの時期は体温が下がりにくい 熱中症に注意 ~富山県の事例より~

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図は2022年の富山県で熱中症の救急搬送があった日を、日毎に平均湿度と最高気温を一つの丸としてプロットしたものです。赤色の丸は熱中症警戒アラートが発表された日で該当日は計4日、オレンジ色の丸は搬送者が10名以上の日、緑色の小さい丸は10名未満の搬送者があった日を示しています。

グラフを概観すると、
①1日の搬送者が10名以上と多い日は、最高気温が概ね33℃以上、平均湿度は55~80%程度の範囲にほぼ対応しています。


②1日の搬送者は10名未満でも比較的搬送が多い日の気象条件は、最高気温が30~32℃、平均湿度帯は70~90%の範囲にほぼ対応しています。
③最高気温が30℃未満の範囲を見ると、搬送日の気象条件の分布に特別な偏りはなさそうですが、平均湿度が90%を超える高い日の複数日で搬送が行われていることが分かります。

以上のことから、気温は低くなっても湿度が高いと熱中症リスクは続き、搬送は無くならない傾向にあるとも言えそうです。

梅雨前線が日本海まで北上するということは、北陸地方は前線の南側に位置し、多くの湿った空気が流れ込んでくることになります。湿度が高いと、汗をかいても蒸発しにくく、気化熱による熱の放散(体温を下げる効果)は期待薄となってしまいます。

最高気温が30℃以上の真夏日にならない場合や、夜間でも自宅の就寝時に寝室の湿度が上昇する場合には、熱中症リスクが高まることがあります。
喉の渇きを感じる前や就寝前など、定期的に水分補給をする、風通しを良くしたり、衣類を工夫するなどの対策をして暑さを調節し、熱中症を予防するようにして下さい。

車の雨対策も万全に

梅雨時は、車内の空気と外気との気温差や湿度差が大きくなり、車内のガラスが曇りやすくなります。エアコンを付けることに加えて、窓ガラスに専用のくもり止めを付けるなどの対策も有効です。また、雨天の走行時、特に夜間などは、運転席からの視界が悪くなりがちです。ワイパーのふき取り状態が悪い場合は、最低限運転席側だけでもワイパーゴムに付着している汚れを取り除くまたは新しいものに交換しましょう。それでも視界不良が改善されない場合は、フロントガラスの油膜取りを行うのも良さそうです。