現地12月2日、男子国別対抗戦「デビスカップ by Rakuten ファイナルズ」の記者会見に出席したノバク・ジョコビッチ(セルビア/世界ランク1位)が、同日、中国での大会中止を発表したWTAの判断を「全面的に支持する」と語った。
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この日、カザフスタンと準々決勝に臨み、単複で勝利を果たしてセルビアを準決勝に導いたジョコビッチは、「私としてはWTAの判断を全面的に支持するよ。
さらに「ちゃんとニュースを見ていないので、詳細についてはわからないけど、私は支持する。先ほど言ったように、ATP、WTA、PTPA、男性プレーヤー、女性プレーヤー、それぞれがお互いにサポートし合うことが重要だと思っている。どの団体に所属しているか、あるいは個人的なスタンスにかかわらず、テニスコミュニティ全体で、何が起こっているのかをもう少し明確にしていく必要があると思う」とテニス界の団結が必要だと主張。
「ペンが何かを表明したかも知らないんだ。しっかり見ていない。ただ、1週間前か数週間前に何らかの声明が出ていて、彼女はプライバシーの尊重を求めていたと思う。それについて十分な説明がないのは本当に悲しいことだ。つまり、テニス選手の命が問題になっているのですから、テニスコミュニティとして団結する必要があり、私はそれを支持するよ」と十分な説明が必要だと語った。
ペンは、11月初めに中国のSNS「ウェイボー」で、同国の元副首相のジャン・ガオリー氏による性的暴行を受けていたと告白。のちに投稿は削除され、ペンも行方不明となった。その後、WTAの抗議などを受けると、中国国営メディアはペンがWTAに送ったとされるメールや、中国で開催されたテニス大会に姿を現わした映像を公開。また、IOC(国際オリンピック委員会)のバッハ会長とも直接連絡を取り合ったとし、「自宅で元気に暮らしている」と語ったという。
しかし、WTAのスティーブ・サイモン会長は、中国側の対応を非難。「権力者が女性の声を抑圧し、性的暴行疑惑を隠ぺいすることになれば、WTAが設立された基盤である女性の平等は大きく後退することになる」とし、「WTA理事会の全面的な支持を得て、私は香港を含む中国で開催されるすべてのWTA大会を直ちに中止する」と決断したと発表している。