5月31日、「全仏オープン」男子シングルス準々決勝、第3シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/世界ランク3位)と第6シードのカルロス・アルカラス(スペイン/同6位)が対戦。ほぼ完璧なサービスゲームを展開したズベレフがブレークを許さず、6-4、6-4、4-6、7-6(7)で勝利して2年連続2度目の準決勝進出を決めた。
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対戦成績は、ズベレフの2勝1敗。だが、直近のATPマスターズ1000「ムチュア・マドリード・オープン」での対戦は、アルカラスが6-3、6-1で勝利している。注目の試合は、見応えあるものとなった。
第1セット、まずチャンスを握ったのはズベレフ。第4ゲームでブレークポイントを迎えると、アルカラスがサーブ&ボレーに出たがミスに。このブレークで、より大胆に強打を放っていくズベレフ。チャンスを与えず、6-4でズベレフがセットを先取する。このセット、アルカラスは16本のアンフォーストエラーを犯している(ズベレフは7本)。仕切り直したいアルカラスは、第2セット開始からエネルギーを上げてプレー。しかし、ズベレフのサービスゲームに隙はなし。第7ゲームで先にブレークしたズベレフが6-4で奪取する。
マッチポイントを握られながら勝利した2回戦では、「チャンスが来ると信じていた。
第4セット、アルカラスのショットが安定してきたことで、両者のキープが続く。しかし、先にブレークしたのはズベレフ。第9ゲーム、15-40とされたアルカラスは、1本凌いだが痛恨のダブルフォールトを犯してしまう。これで万事休すかと思われたが、アルカラスは自分を信じ続けた。続くズベレフのサービング・フォー・ザ・マッチ、吹っ切れたかのようにアルカラスのスーパーショットが続き、土壇場でブレークバックに成功する。
そしてタイブレークへ。痺れるような緊張感の中で、スーパーショットを続けミニブレークを奪い合う両者。5-5でアルカラスは、バックハンドをダウン・ザ・ラインに決めてセットポイントを迎えるが、ここを取り逃がす。これが最後のチャンスだった。
オンコートインタビューで、「最終的には最高のテニスが必要だと思っていた。実際、彼は何度もカムバックしてきた」と語ると、インタビュアーの質問に対して言葉が出ず。「いつもはもっと話せるけど、今は胸がいっぱいで言葉にならない」とズベレフは言葉を絞り出した。それだけ厳しい戦いだったということだろう。
勝利したズベレフは続く準決勝で、このあと行われる第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア/世界ランク1位)対第5シードのラファエル・ナダル(スペイン/同5位)の勝者と対戦する。
■全仏オープン2022
日程/2022年5月22日(日)~6月5日(日)
開催地/フランス・パリ:ローランギャロス
賞金総額/4,360万ユーロ(約59億円)
男女シングルス優勝賞金/220万ユーロ(約3億円)
サーフェス/クレーコート
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