現地6月1日、「全仏オープン」男子シングルス準々決勝が行われ、第7シードのアンドレイ・ルブレフ(世界ランク7位)と第20シードのマリン・チリッチ(クロアチア/同23位)が対戦。チリッチが5-7、6-3、6-4、3-6、7-6(10-2)でルブレフを下し、2018年の全豪オープン以来となるベスト4入りを果たした。
【動画】チリッチがルブレフとの激闘を制し全仏初の4強! マッチハイライト
今大会4回戦で第2シードのダニール・メドベデフ(同2位)を破るなど絶好調のチリッチは、過去2勝4敗のルブレフと対戦。
第1セット、ルブレフが強烈なストロークを放てば、好調のチリッチもそれに応えるように正確で力のあるボールを放っていく。だが、互いにサービスキープが続く中で、よりアグレッシブになっていったルブレフがプレッシャーをかけていくと、チリッチは苦しいサービスゲームが続く。サーブポイントでしのいでいたチリッチだが、5-5の第11ゲームでルブレフが均衡を破り、ブレークに成功。7-5で第1セットを奪う。
だが、チリッチも黙ってない。第2セットではルブレフのストロークが不安定となった第2ゲームでチャンスを手にすると、これを確実にものにして1ブレーク。リードを保ち、6-3でセットを奪い返す。
勢いづいてきたチリッチは第3セットもサーブを生かして、テンポ良くサービスキープしてリターンゲームに集中。第7ゲームで角度をつけたショットでルブレフを崩し、ブレークして6-4でセットを奪取。勝利まであと1セットとする。
第4セットは、一進一退の攻防が続く中でアンフォーストエラーがわずか3本と、安定したルブレフがワンチャンスを生かして6-3。
互いに最初のサービスゲームをキープしてスタートした最終セット、第3ゲームの1ポイント目でチリッチのドロップショットでアウトとコール。主審もアウトの判定を下したが、チリッチが抗議すると、ルブレフは大事な1ポイント目のやり直しを認めるスポーツマンシップを見せる。ここまでの戦いを互いに認め合っていることを象徴したシーンだった。
意地と意地がぶつかった激しいラリーの応酬が繰り広げられた最終セットは、互いにピンチをしのいで4時間超え。6-6となり、10ポイントタイブレークに突入した。ここでチリッチの攻撃力が生きる。3本のサービスエースなどルブレフにチャンスを与えず、リターンをコート深くに鋭いショットを放って圧倒。1-2から9連続ポイントで4時間10分の激闘を制した。
チリッチのグランドスラム4強は、2018年全豪オープン以来のこと。全仏オープンでは初めての準決勝進出を決めた。
今大会4回戦のメドベデフ戦に続いてルブレフも撃破したチリッチ。
チリッチは準決勝で、第8シードのキャスパー・ルード(ノルウェー/同8位)とホルガー・ルーネ(デンマーク/同40位)の勝者と対戦する。
■全仏オープン2022
日程/2022年5月22日(日)~6月5日(日)
開催地/フランス・パリ:ローランギャロス
賞金総額/4,360万ユーロ(約59億円)
男女シングルス優勝賞金/220万ユーロ(約3億円)
サーフェス/クレーコート
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