日本最長の鉄道用トンネルといえば青函トンネル。総延長は53.85kmに及び、北海道新幹線で通過する場合でも20分以上かかる長大トンネルです。
問1.では日本最長の狭軌トンネルはどこにある「何トンネル」でしょう?
問2.問1のトンネルを抜けるのに普通列車で8分、特急列車で7分かかります。それぞれの列車のトンネル内における平均速度は何km/hでしょう?
【ヒント】
問1. この手の最長トンネルを数えるときに地下鉄のトンネルは含みません。在来線の長大トンネルといえばトンネル内に土合駅のある新清水トンネルや美佐島駅のある赤倉トンネル、筒石駅のある頸城トンネルが挙げられますが、これらより長いトンネルがあります。上の写真の列車も通ったあのトンネルですよ。
問2. このトンネルの長さは13,870ⅿあります。単位変換に注意してください。
解答と解説
【答え】
問1. 福井県、敦賀駅―南今庄駅間にある「北陸トンネル」
問2. 普通列車:約104km/h、特急列車:約119km/h
問1. 福井県内で完結する北陸トンネルは、在来線としては最も長いトンネルです。トンネル内に駅はなく、敦賀―南今庄間16.6㎞のうち実に5/6以上を占めています。
2024年に北陸新幹線が開業すると、北陸本線の北陸トンネルを含む区間が経営分離されるため、JR線として最長の狭軌トンネルは群馬県の水上駅と新潟県の土樽駅の間にある新清水トンネル(13,490ⅿ)になります(新清水トンネル内には土合駅だけでなく湯檜曽駅も入っています。といっても湯檜曽駅の方はトンネルに入ってすぐのところにありますが…)。
問2. 13870m÷1000ⅿ/km÷8分×60分/h=104.025km/h
13870m÷1000ⅿ/km÷7分×60分/h=118.885km/h
なお、実際の列車がトンネル内で常に104km/hあるいは119km/hで走行しているわけではありません。
この列車はトンネルを通過するのに8分と少しかかっていましたので、トンネル内の平均速度はもう少し低いですが、それでも100km/hを下りません。かつて北陸トンネルができる前はスイッチバックを使って峠を上り下りしていたことを考えると技術の進歩を感じますね。
(写真:PIXTA)