急速な経済成長と都市化が進むベトナムで、東急グループが大規模な都市開発プロジェクト「IZUMI CITY(イズミシティ)」に参画します。東京の「多摩田園都市」で培った街づくりのノウハウを活かし、ホーチミン市に隣接するドンナイ省の約170ヘクタールの広大な敷地で、住宅、商業、教育などの機能を一体的に整備する計画です。
ホーチミンに隣接するドンナイ省
ドンナイ省は、ベトナム経済の中心地・ホーチミン市に隣接しており、現在もインフラ投資や工業団地の拡張が続く注目エリアです。人口は約440万人に達し、ロンタイン新国際空港や高速道路などのインフラ整備の進捗や工業団地の発展により、さらなる経済発展と人口増加が見込まれています。ホーチミン市中心部までは車やバイクで約1時間、また将来はホーチミン都市鉄道1号線の延伸により、公共交通アクセスのさらなる向上も期待されています。
多摩田園都市で培ったまちづくり

東急グループの起源は1918年設立の田園都市株式会社です。自然と都市の調和を目指す「田園都市構想」から田園調布の開発が始まり、美しい街並みと緑豊かな環境が整備されました。
戦後、東急は東京の西南部、都心から15~35kmに位置する多摩丘陵の「東急多摩田園都市」において、約5,000haにも及ぶ民間主導としては日本最大規模の郊外ニュータウン開発を行いました。計画当初に約1.5万人だった人口は、2013年4月時点で約60万人へと増加。郊外住宅地と鉄道を組み合わせた大規模ニュータウン開発の先駆けとして、大きな影響を与えたとされています。
「IZUMI CITY」プロジェクトの概要
・所在地:ベトナム国ドンナイ省
・事業主:ナムロン社、阪急阪神不動産、東急の3社共同
・総事業面積:約170ha
・計画:低層分譲住宅約2,900戸を中心に、商業施設、学校、公園などを整備

「IZUMI CITY(イズミシティ)」プロジェクトは現地ディベロッパーのナムロン社および阪急阪神不動産と3社で推進。ドンナイ川沿いの約170ヘクタールという広大な敷地で、居住、商業、教育などの各機能を一体的に整備する計画です。2021年に着手した第1期低層分譲住宅(総戸数275戸)は、2023年末に竣工を迎えました。第2期として、2025年内に総戸数約500戸の低層住宅を着工し、順次販売を開始する予定です。

多摩田園都市の知見をベトナムへ
東急はビンズン新都市での住宅開発や、ホーチミン市中心部でのオフィスビル賃貸事業にも着手しています。これまで「東急多摩田園都市」プロジェクトを通じて培った街づくりのノウハウを持ち込み、低層住宅の居住品質向上とともに、通勤・通学に便利な商業施設や緑豊かな公園など、生活利便を追求した街づくりを展開していく方針です。

(画像:東急)
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