バンコクの国家会計検査院ビルの建設を請け負っていた中国企業、中鉄十局の株式を保有しているタイ国籍の3人が21日、特別捜査局(DSI)に出頭した。3人は外国人事業法に違反し、同社に名義を貸した容疑でDSIが行方を追っていた。
現地報道によると、出頭したのは、タイ国籍のマーナット容疑者、プラチュワップ容疑者、ソーポン容疑者。3人は21日14時(現地時間)、DSIに出頭すると連絡したという。
中鉄十局の書類上では、中国人のチュアン容疑者が同社株式の49%、タイ人の3人が51%を保有。DSIは3人の資産状況から、3人が議決権を有する株主とは考えにくいと見ている。
マーナット容疑者の弁護士は、3人がDSIの主張する名義株主ではないと主張している。捜査によると、3人は同社が雇用する社員で、荷物持ちや車両の運転を担当しているという。
また3人は、他の法人会社の株式保有も判明。マーナット容疑者は10社、ソーポン容疑者は4社、プラチュワップ容疑者は7社。
一方、21日に逮捕された同社の中国人幹部チュアン容疑者は22日、保釈金50万バーツを支払い、国外禁止の制限付きで釈放された。
同社とイタリア・タイ開発公社の合弁会社が建設中だったバンコクの国家会計検査院ビルが、3月28日に発生したミャンマー大地震により倒壊。現在も行方不明者の捜索が続いている。