タイのチュラーロンコーン病院はこのほど、タイ初の閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)の治療を目的とした舌下神経刺激手術(HGNS)に成功した。アジアでは日本、シンガポール、香港に次ぐ4番目の成功となる。


マティチョンなどの報道によると、HGNS法は、持続的陽圧呼吸治療法(CPAP)など従来の治療法に効果が見られなかった患者に適用する。

タイ赤十字社チュラーロンコーン病院の睡眠医学センター所長のナルチャー准教授は7日、良質な睡眠が心身の健康に重要だと強調。人口の最大14%が同症候群の症状が見られ、大きないびきや夜間の頻回の覚醒、日中の異常な眠気などの症状があると指摘した。OSAは心血管疾患などの重篤な症状のリスクを高める可能性があるという。

OSAの主な治療法はCPAPだが、多くの患者が耐えられないため、より効果的で安全な治療法が求められている。ナルチャー准教授は、HGNSについて、少ない切開で患者の回復が早く、効果的な新治療法だと説明。

胸筋の近くに小型装置を埋め込み、舌の動きを制御する舌下神経に電気信号を送ると、舌が前方に動いて気道が開いた状態を保てるという。装置は就寝前と起床時にリモコンでオンとオフを切り替える。

治療を希望する患者は、専門医による評価を受け、基準を満たす必要があるとしている。

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