バルセロナのグリーズマン photo/Getty Images
監督就任時の言葉はなんだったのか
2020-21シーズンにロナルド・クーマン監督の下で大改革を敢行するバルセロナにおいて、今後チームの中心的な役割を任される選手は誰か。FWリオネル・メッシの慰留にこそ成功したものの、FWルイス・スアレスやMFイヴァン・ラキティッチ、DFネルソン・セメドといったこれまで数年にわたってチームを支えてきた選手を放出した同クラブ。
おそらく、就任当初にクーマン監督が期待していたのはFWアントワーヌ・グリーズマンだった。加入初年度となった昨季は不慣れなサイドのポジションでそれほどインパクトを残すことができなかった同選手だが、指揮官は今季彼を本来のセンターフォワードとして起用することを明言。フランス代表FWの再生を誓った。
しかし、その計画は早くも頓挫したのか。オランダ人指揮官はその言葉に反して、開幕からグリーズマンを右ウイングとして起用している。守備を考慮してメッシを中央に置きたいがための人員配置ということは理解できるが、就任時に掲げていたはずの“グリーズマン再生プラン”はどこへ行ったのか。現地ではそんな声も上がっている。開幕から3試合でグリーズマンが放ったシュートはわずかに1本。守備では素晴らしい貢献を見せているものの、肝心の攻撃面で彼は違いを作れない状況が続いている。
グリーズマンにとっては光明と言えたはずの指揮官交代。だが、結果的に彼を取り巻く状況は変わらなかったと言っていいだろう。
「私は常にグリーズマンと連絡をとっている。その中で、私は彼がバルセロナでの状況に満足していないと確信しているよ。現状、グリーズマンは右サイドでプレイしている。バルサの起用法について文句を言うつもりはないが、彼は中央で使った方がより効果的だと思うね。ゲームの中心にいて、ボールにたくさん触れることができれば彼はもっと輝くと思うよ。そのポジションであれば、中盤まで降りて味方を助けることもできるしね。グリーズマンはサイドを独力で突破できる能力についてはそれほど優れていない。一瞬のクレバーな動きで勝負する選手なんだ」
チーム事情も理解はできるが、いつになっても中央での仕事が回ってこないグリーズマン。はたして、バルセロナで彼がアトレティコ・マドリード時代のような輝きを放つ日はやってくるのだろうか。