当時103ゴール奪ったチェルシー photo/Getty Images
得点を奪えるプレイヤーが複数存在
指揮官としてチェルシーに戻ってきたフランク・ランパードは、自身のキャリアに影響を与えた人物の1人に現エヴァートン指揮官カルロ・アンチェロッティの名前を挙げている。
ランパードは現役時代にチェルシーでアンチェロッティの指導を受け、2009-10シーズンのプレミアリーグを制覇している。
当時勝ち点86を稼いで優勝したチェルシーは、何とリーグ戦で合計103得点を記録。指揮官となったランパードは、当時のアンチェロッティ・チェルシーを1つの理想としているのではないだろうか。
アンチェロッティが指揮した当時のチェルシーの特長の1つが、どこからでも得点を奪えることだった。リーグ戦ではディディエ・ドログバ(29得点)、ランパード(22得点)、フローラン・マルダ(12得点)ニコラ・アネルカ(11得点)と二桁得点者が4人もいた。
他にもサロモン・カルー(5得点)、ミヒャエル・バラック(4得点)、マイケル・エッシェン(3得点)、ジョー・コール(2得点)、デコ(2得点)など得点を奪うだけの力を持つ選手が複数揃い、最終的にはリーグ戦で14選手がネットを揺らした。まさにどこからでも得点が奪えるチームだったのだ。
今季も毎試合のように新たな得点者が出てくる photo/Getty Images
今季も13選手がリーグ戦で得点を記録
現在ランパードが指揮するチェルシーも似たようなチームになりつつある。リーグ戦でのチーム得点王は4得点を奪っているFWティモ・ヴェルナーとDFクルト・ズマの2人だ。
さらにMFジョルジーニョ(3得点)、センターフォワードのタミー・エイブラハム(3得点)、左サイドバックのベン・チルウェル(2得点)、期待がかかる若きウイングのカラム・ハドソン・オドイ、クリスティアン・プリシッチ、中盤のメイソン・マウント、アヤックスから加わったハキム・ツィエク、レヴァークーゼンから加わったカイ・ハフェルツ、右サイドバックのリース・ジェイムズ、センターバックのチアゴ・シウバ、そして第3ストライカーとして大活躍するオリヴィエ・ジルーが1得点ずつ奪っている。
まだ11試合を消化した段階だが、早くも今季のチェルシーは13選手が得点を記録している。これは現在リーグ最多の人数であり、得点者が二桁に達しているのもチェルシーのみだ。
当時のドログバやランパードほど得点を奪ってくれる選手はまだ出てきていないが、特定の誰かに得点を依存していないことは長いシーズンを戦ううえで1つの武器となるはず。ヴェルナーやハフェルツがプレミアのスタイルに完璧に適応すれば、得点数はさらに上がっていくだろう。
チェルシーは今季も優勝を狙える位置にいるが、ランパードは2009-10シーズンを超えるようなチームを作れるだろうか。今夏の大型補強もあり、チームは良い方向へと進んでいる。