今季ヘルタで印象的なパフォーマンスを披露しているクーニャ photo/Getty Images
中堅クラブで育つブラジル人FW
近年、ドイツ・ブンデスリーガでは多数の若手タレントが頭角を現している。ドルトムントのFWジェイドン・サンチョ(21)、バイエルン・ミュンヘンのDFアルフォンソ・デイビス(20)、レヴァークーゼンのMFフロリアン・ヴィルツ(18)……。
そういった状況のなか、中堅クラブで活躍する王国産のストライカーにも注目が集まっている。その選手とは、ヘルタ・ベルリンで活躍するブラジル人FWマテウス・クーニャ(21)だ。今季、所属するヘルタこそ現時点で14位に沈んでしまっているものの、そのなかでひとり気を吐く活躍を披露している同選手。CFを主戦場としているものの、ウイングやトップ下もこなせる器用なプレイヤーだ。モデルとしているのはロナウジーニョとのことことで、リズミカルかつトリッキーなスタイルは確かにカナリア軍団のレジェンドを彷彿とさせるものがある。
そんなクーニャは、今季リーグ戦27試合の出場で7ゴール6アシストを記録。21歳の選手としては立派な数字と言えるだろう。だが、彼に関して注目すべきはそこだけでない。実は同選手、あらゆる分野のスタッツでリーグ屈指の数字を叩き出しているのだ。
まず注目したいのは地上戦勝利数。クーニャはここまで190回の勝利を記録しており、これはリーグトップタイの数字となっている。
「マテウスの才能には本当に驚かされたよ。うまくいけば、トップクラスに素晴らしい選手となることができるだろう。以前にライプツィヒやヘルタで試合に出ている彼を見て凄い選手だとは思っていたけれど、一緒にトレーニングをしてみて改めてとんでもない可能性を秘めていると感じたね」(独『Spox』より)
今季限りでの引退を表明した元ドイツ代表MFサミ・ケディラも、クーニャの才能にはこのような評価を与えている。ヘルタ所属とあって、あまり注目されるような存在でないのは間違いない。しかし、これまでブラジルの世代別代表で活躍してきた男の実力は確かだ。すでにA代表にも招集されており、数年後にセレソン攻撃陣の中心に君臨する未来も見えないわけではない。はたして、ブンデスで渋く活躍する21歳は今後どれほどビッグな選手となっていくのだろうか。若き王国産FWの成長はまだまだ止まる気配がない。