抜群の安定感で左サイドを制圧した長友 photo/Getty Images
34歳とは思えないほどの活躍を見せた
約3年ぶりの欧州勢であるセルビア代表に1-0の勝利を収めた日本代表。相手は数名の主力が不在であったが、カタールW杯のアジア予選では感じられない強度の中で試合を行えた点で今回の親善試合が有意義なものであったと言えるだろう。
その中でも、抜群の存在感を放ったのは左サイドバックとして先発出場した長友佑都であった。
今季からトルコのガラタサライからフランスの強豪であるマルセイユに加入した長友。代表に関しても不動の地位を築いており、この試合で長友の重要性を再確認できた。
それは特に守備での強度だ。左サイドではネマニャ・グデリと相対することが多かったが、187cmの相手に170cmの長友は低く腰を落として早めのプレスで相手の自由を奪っていた。また、前半に味方がハーフウェイラインでボールをロストした際はいの一番にプレスを仕掛けてボールを奪い、事なきを得ていた。咄嗟の判断力とそれを実行できる能力の高さはさすがの一言だ。
しかし、攻撃面でさほど良さが見られなかったのは残念だ。左サイドで高い位置を取っていたが、クロスの質も悪く、攻撃の展開は見られなかった。一度、深い位置までオーバーラップしペナルティエリア内に進入していたが、相手に防がれていた。
それでも、総じて高いパフォーマンスを披露しており、小川諒也との交代でベンチに下がったが、今も日本代表の左サイドバックは長友しかいないと思わせてくれる試合であった。
そんな長友も34歳となっており、フランスの第一線でプレイしているもののそろそろ長友に続く存在が欲しい。
U-24代表には旗手怜央が左サイドバックとして招集されている。下からの突き上げで競争力を高め、チーム全体の成長に繋げていくのが良策か。