レアルでワールドクラスのDFになったヴァラン photo/Getty Images
大金をかけた補強だけではない
チャンピオンズリーグを4度も制するなど、2010年代のレアル・マドリードはとてつもない成功を収めた。
クリスティアーノ・ロナウドやカリム・ベンゼマなどスター選手のおかげなのは間違いなく、自慢の資金力があればこその成功だったと言えよう。
その最たるものと言っていいのが、今夏の去就が注目されているDFラファエル・ヴァランだ。今でこそ世界トップレベルのセンターバックと評価されているが、レアルはまだ10代だったヴァランを2011年にRCランスより1000万ユーロの移籍金で引き抜いた。そこから着実に成長させ、チャンピオンズリーグ3連覇にも欠かせない戦力となったのだ。このヴァラン引き抜きはレアルにとって極めて大きなものだったと言える。
他にも2014年には2500万ユーロでバイエルンからMFトニ・クロースを獲得。ヴァランに比べると高額だが、クロースの実力を考えれば2500万ユーロはお得だ。今もチームを中盤からコントロールしており、十分すぎるほどの活躍を続けてくれている。これもレアルの成功に欠かせなかった補強だ。

カゼミロも想像を超えるヒット photo/Getty Images
2010年代はバーゲン補強多かった
そのクロースと同じ中盤で世界最高クラスの守備的MFと言われるようになったブラジル代表MFカゼミロは、2013年に600万ユーロの移籍金でサンパウロからレアルに加わった。当時はここまでの実力者になるとは想定していなかったかもしれないが、嬉しい大誤算だ。
すでに退団しているが、2010年に加入したMFメスト・エジルも移籍金は1500万ユーロと安価だった。2014年に加入し、チャンピオンズリーグ3連覇に貢献したGKケイロル・ナバスもレバンテから僅か1000万ユーロの移籍金で加わっている。こちらも成功のバーゲン補強だ。
複数ポジションをこなす便利屋としてチームに貢献するMFルーカス・バスケスもそうだ。バスケスはエスパニョールにレンタル移籍していたが、レアルは2015年に150万ユーロの買い戻しオプションを行使。この判断も大正解だった。
FWマルコ・アセンシオも2014年にマジョルカから350万ユーロの移籍金で獲得した選手で、2010年代のレアルはこうしたバーゲン補強が目立っていた。派手な札束攻勢もレアルらしいが、こうした賢い補強が成功に繋がっていたのは間違いない。
現在もパリ・サンジェルマンFWキリアン・ムバッペを筆頭にスター獲得の話題が続いているが、2020年代も引き続き成功を収めていくにはバーゲン補強をヒットさせるスカウト力も必要となりそうだ。