アーセナル行きの可能性がある冨安健洋 photo/Getty Images
ステップアップのはずだが……
日本代表のセンターバックでは既に鉄板のコンビとなっている吉田麻也と冨安健洋。両者ともにイタリアで評価を上げており、東京五輪では素晴らしいパフォーマンスを披露した。
そんな冨安だが今夏での移籍が噂されており、これまではアタランタやトッテナムの名前が挙がっている。移籍市場も最終盤となったこの時期に移籍先が決まっておらず、ボローニャに残留するかと思われたが、どうやらアーセナルが関心を示しているようだ。移籍市場に精通しているスポーツジャーナリストであるファブリシオ・ロマーノ氏によれば、現在交渉中とのこと。
プレミア開幕から3連敗中のアーセナルだが、3試合で9失点しており、守備陣へのテコ入れは必須だ。そこで若く守備の国イタリアで評価されている冨安を獲得する狙いは分かる。また、センターバック、右サイドバックと複数ポジションで起用できる点も大きい。
特に右サイドバックは現状、エクトル・ベジェリン、セドリック・ソアレス、カラム・チェンバーズが務めているが、ベジェリンはレアル・ベティスへの移籍が濃厚とされており、ソアレス、チェンバーズ共に今季のパフォーマンスは良くない。クラブも右サイドバックへの不安はあったようで、ノリッジのマックス・アーロンズへの関心が報じられていたが、合意とはならなかったのだろう。センターバックに関しても同様で一定の出場機会は与えられるだろう。
DFでありながらビルドアップに貢献できることが強みな冨安だが、アーセナルに加入するのであれば、まずは守備での貢献に期待したい。3試合で計9失点しているように、守備が崩壊している。先日行われたマンチェスター・シティ戦でも序盤は良かったものの、何でもないクロスからゴールを奪われると、その流れから再び失点し、いつの間にか0-2となっていた。
今のアーセナルではCLはおろかELへの出場も難しいと思われるが、リーグの実力を考えれば、冨安としても日本代表としても得られるものは大きい。まだ、22歳と若い冨安だが、早い段階でのプレミア挑戦は悪くない選択肢だろう。