マンCでユーティリティ性といえばジンチェンコの名前が上がる photo/Getty Images
監督としても起用しやすいか
ここまでは好調を維持し、プレミアでは3位に付けているマンチェスター・シティ。夏の移籍市場ではハリー・ケイン獲得に失敗したが、現状の成績を見てもそこまで影響はなく、着実に勝利を積み上げている。
今季もタイトル獲得に期待のかかるマンCだが、チーム内で目立つのはユーティリティ性の高い選手たちだ。
先日行われたリヴァプール戦では不用意なミスから失点に関与してしまったジョアン・カンセロだが、彼は右サイドバックとして加入しながらも、今季は左サイドバックでプレイし、右と遜色のないパフォーマンスを披露している。特にボールを持った際の選択肢の多さはサイドバックとしては飛びぬけており、ベルナルド・シウバと共にリヴァプールのハイプレスを無効化していた。まだトップチームでの起用は見られていないが、カンセロは英『Manchester Evening News』のインタビューで中盤でのプレイが可能と答えており、お披露目できる日は来るのだろうか。
同じく左サイドバックであれば、オレクサンドル・ジンチェンコも複数ポジションをこなすことができる。サイドバックとしてブレイクしたジンチェンコだが、元は中盤の攻撃的な選手であり、ウクライナ代表では本来のポジションであるボランチやインサイドハーフを任されている。昨季はリーグ戦で中盤に抜擢されており、今後の起用法に注目だ。
前線でいえばフィル・フォーデンは現在3つのポジションで起用できる選手だ。ダビド・シルバの後継者といわれていた頃はインサイドハーフで使われることが多いと思われていたが、スピードと体の強さを生かせる左ウイングに固定されると、得点力を生かしてスタメンに名を連ねている。先日のチェルシー戦では偽9番での起用となったが、前線の流動性や献身的な守備でチームを活性化させており、勝利に貢献して見せた。21歳と若い選手ではあるが、ペップの要望に高いレベルで応えられる数少ない選手であり、今後の成長が楽しみだ。
このように複数ポジションをこなすことで戦術パターンを増やすことのできる選手たち。