シャルケ昇格へのキーマンとなる“クロス職人” サイドからチャ...の画像はこちら >>

シャルケの左サイドで輝きを放つウーワイアン photo/Getty Images

正確なクロスで攻撃の主軸に

2020-21シーズン、ドイツの名門が2部降格の憂き目に遭った。その名門とは、2017-18シーズンにブンデスリーガで2位フィニッシュも果たしたシャルケだ。

かつて日本代表DF内田篤人が所属していた2010-11シーズンにはチャンピオンズリーグでベスト4にも躍進した同クラブだが、あれから10年で彼らはどん底を味わうこととなってしまった。

しかし、悪いことばかりでもない。2部降格でチームが刷新されたことにより、今季のシャルケは未来への期待感溢れる選手を多数迎え入れることに成功している。それぞれ欧州での知名度はイマイチかもしれないが、メンバーがフレッシュになったこと自体はポジティブに捉えるべきだろう。ここまでのリーグ戦は6勝1分3敗。順位も3位と、1シーズンでの1部復帰を目指せる位置にはつけている。まだ未完成なチームで挑んでいる序盤戦ということを考慮すれば、決して悪くはない。

そんな新生シャルケのなかでも、特に昇格へのキーマンとなりそうなのがオランダ人MFトーマス・ウーワイアン(25)だ。今季の同クラブではすでに11ゴールを挙げているエースFWシモン・テロッデに注目が集まりがちだが、左サイドから絶品のクロスを供給する彼の貢献も見逃せない。

今夏AZからレンタル移籍してきたウーワイアンは、ここまでリーグ戦全10試合に出場して4アシストを記録している。うち3アシストはテロッデに供給したもので、エースに対するアシスト数はチームトップの数字となっているのだ。テロッデがゴールを量産できているのは本人の実力ももちろんだが、ウーワイアンの貢献によるところも大きいと言っていいだろう。


そんなウーワイアンだが、彼のクロス精度の高さはそのスタッツにも表れている。データサイト『SofaScore』によると、今季の同選手が記録している39.0%というクロス成功率は、20本以上の成功数を記録している選手のなかでリーグトップの数字。そして、ただ成功率が高いというだけでなく、全選手中ダントツの39本という成功数を記録している点も好印象だ。キーパス数41本も2位に10本以上の差をつけており、ウーワイアンがいかにシャルケの攻撃で重要な役割を担っているかは、こうした数字からも見て取ることができる。

左サイドから正確に中央の味方へと合わせるシャルケの“クロス職人”。はたして、このレフティーこそがドイツの名門を導くキーマンとなるのだろうか。テロッデや日本代表DF板倉滉だけでなく、今季のシャルケではウーワイアンにも注目したいところだ。

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