レアル・ソシエダでプレイするシルバ photo/Getty Images
スペイン代表でも活躍した
守備者から見てサイドからのクロスや後方からのロングボールでの攻めは比較的、対応しやすい。浮いているボールであれば、高さを武器に跳ね返すことができる。
実際に5バックで守るチームは守備時にボックス内に選手を固めることで中央での攻めを防ぎ、ボックス外からのクロスやロングボールを入れさせるように相手に仕向けている。そうすれば屈強な守備者たちが攻撃を跳ね返し、ビッグクラブでも崩せないような守備が完成する。
しかし、いくらボックス内に人を配置し、スペースをなくしたとしても狭いエリアで攻略を図ろうとするタイプの選手はいる。レアル・ソシエダに所属するMFダビド・シルバがまさにその例だ。
バレンシアでプロデビューを果たし、その後イングランドのマンチェスター・シティで10年間プレイしたシルバ。DFとMFのライン間で受ける技術が高く、170cmの小さな体でマークを跳ね除け、ボックス内に進入して好機を生み出している。特にペナルティエリア内のポケットと呼ばれるポジションでボールを受けることが多く、同じようなプレイスタイルの選手は少ない。
「シルバは過去20年間の中、最もライン間でプレイするのが上手い選手だ」
アーセナルがリーズに4-1で勝利したあとに行われた記者会見で、ミケル・アルテタ監督が残したコメントだ。英『90min』によれば、この試合で素晴らしいアシストを記録したマルティン・ウーデゴーとシルバを比較する質問に対し、アルテタはシルバを称賛しつつ、ウーデゴーはまだその領域に達していないと話している。
キャリアハイは11-12シーズンの15アシストと記録的な数字ではないが、シルバが持つ唯一無二のスタイルは称賛されるべきだろう。シティでもジョゼップ・グアルディオラに重宝されており、継続して出場機会を得ていた。現在のソシエダでもピッチに立っており、スペインを代表する魔法使いのキャリアはまだまだ続きそうだ。
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