ヴェローナ戦でも得点を決めたピョンテク photo/Getty Images
今冬セリエAに帰ってきたストライカー
「89分間消えていても、1分で仕事をするストライカー」。かつてACミランでプレイしていた元イタリア代表FWフィリッポ・インザーギに関して、このようなイメージを持っていたカルチョファンも多いだろう。
そんなインザーギがピッチを去って9年半の時間が経過したが、現在のイタリア・セリエAでも“インザーギ風”と言えるストライカーが結果を出している。そのストライカーとは、奇しくもこのレジェンドと同じくミランの9番を背負った経験のある男。フィオレンティーナでプレイしているFWクシシュトフ・ピョンテクだ。
今冬移籍市場でヘルタ・ベルリンからヴィオラに加入し、久しぶりのセリエA復帰を果たしたピョンテク。同選手はここまで新天地で公式戦9試合に出場して6ゴールを記録している。イタリアに帰ってきた男はコンスタントにゴールを挙げ、見事に入れ替わりでユヴェントスへと移籍したドゥシャン・ヴラホビッチの穴を埋めてみせたのだ。
しかし、ここまで得点を挙げているにもかかわらず、ピョンテクの評価は決して高くない。データサイト『WhoScored.com』による1試合平均評価点を見ても、その数字は「6.60」と控えめ。実は同選手、多くの時間でフィニッシュの部分以外はそれほど機能していない。ゴールを決めた現地時間6日のヴェローナ戦でも、ポストプレイをはじめとした役割はいまいち務めきることができていなかったと言っていい。
とはいえ、点取り屋はゴールを決めるのが仕事。指揮官のスタイルにもよるだろうが、“89分消えていても1分で仕事をするストライカー”は重宝されるチームの方が多いだろう。多くの時間で存在感なくても、一瞬で結果を残すヴィオラの“インザーギ風FW”。ピョンテクの決定力には今後も注目したいところだ。