プレイしようと思えば前線のどこでもプレイできるフォーデン photo/Getty images
ユーティリティという言葉が最も似合う選手だ
マンチェスター・シティのトップチームでデビューしたての頃は左利き、ポジションが中盤ということもあってダビド・シルバの後継者といわれていたフィル・フォーデン。そういう背景もあって中盤、インサイドハーフでの起用が続いていたのだが、左ウイングでラヒーム・スターリングの調子が落ちると徐々にフォーデンは左ウイングで起用されるようになった。
今季に入ってからは左ウイングではなく、センターフォワードの位置に入って偽9番を任されるようになり、本職のストライカーがいないシティでの3トップ中央を務めるようになった。このポジションはガブリエウ・ジェズス、ラヒーム・スターリング、ジャック・グリーリッシュ、ベルナルド・シウバ、ケビン・デ・ブライネ、リヤド・マフレズ、フェラン・トーレスと複数の選手が試されてきたが、フォーデンが最もフィットしているように感じる。小柄ではあるが、ポストプレイも可能で、守備ではファーストディフェンダーとしてチームの守備力を底上げすることができる。
所属チームが変わってイングランド代表では、元々の中盤で起用されることもある。運動力は豊富な選手であり、彼のディフェンスラインの裏に供給されるスルーパスや強烈なミドルシュートは見事だ。直近のハンガリー戦とアンドラ戦では[4-3-3]のインサイドハーフを務めた。そのアンドラ戦でのパフォーマンスを元マンチェスター・ユナイテッドのロイ・キーン氏が「サッカー界のトム・ブレイディ」だと称賛している。トム・ブレイディはアメリカンフットボールの選手であり、パスを得意とするクォーターバックだ。そんな偉大な選手に例えられるほどフォーデンもパスは素晴らしかったということだ。
このようにウイングでも、センターフォワードでも、インサイドハーフでもトップレベルにプレイできるフォーデンに対し、英『The Athletic』は「フォーデンはどこでプレイするのがベストなのか」という特集を組んでいる。同紙ではインサイドハーフだけでなく、トップ下として10番で振舞うのも可能としつつ、どこがベストなのか分からないと結論付けている。
同紙が主張するように攻撃的なポジションであれば、どれも高いレベルでこなし、ガレス・サウスゲイト、ジョゼップ・グアルディオラの両監督を納得させることができるフォーデン。ペップは将来中盤での起用を示唆していたが、無限の可能性を持つフォーデンはどこがベストのポジションなのだろうか。