マンUを粉砕したレアル時代のロナウド photo/Getty Images
全盛期は止める術なし
全盛期と呼べる時間はあまり長くなかったが、ブラジルが生んだ元祖怪物FWロナウドの能力は特別だった。元イングランド代表DFリオ・ファーディナンドもその実力を思い知らされた選手の1人だ。
両者が顔を合わせたのは、2002-03シーズンのチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦だ。当時はファーディナンドがマンチェスター・ユナイテッド、ロナウドがレアル・マドリードに所属しており、レアルのホームで行われた1stレグはルイス・フィーゴ、ラウール・ゴンザレスの2発で3-1とレアルが勝利。
2ndレグはマンUの本拠地オールド・トラッフォードで行われ、マンUは逆転を狙って猛攻を仕掛けた。そんなマンUの心を折ったストライカーこそロナウドだ。
ルート・ファン・ニステルローイらのゴールでマンUが必死に食らいつくのに対し、ロナウドはあっさりとハットトリックを記録。試合はマンUが4-3で勝利したものの、2戦合計でレアルが上に進むことになった。
ファーディナンドはミカエル・シルベストルとセンターバックコンビを組んでいたが、やはりロナウドのレベルは特別だったのだろう。英『The Sun』によると、ファーディナンドは当時の感覚についてこう振り返る。
「ロナウドは私に別のレベルがあることを教えてくれたよ。何より驚かされるのは、彼が私と対決するまでに4度も膝を手術していたという事実だ。彼のコンディションが完璧にフィットしていた場合、彼が私に何をしたか想像すると怖いよ。彼は特別だった」
ファーディナンドはロナウドのことをキャリアで最も厄介だったストライカーの1人に挙げているが、全盛期のロナウドと対峙したセンターバック全員が同意するだろう。
その後ファーディナンドはチャンピオンズリーグの舞台でバルセロナ時代のFWリオネル・メッシとも顔を合わせているが、衝撃ではロナウドに喰らったハットトリックの方が大きかったかもしれない。