プレミアリーグで苦戦続くエヴァートン photo/Getty Images
先日のダービーマッチもリヴァプールが勝利
常に大きな盛り上がりを見せるリヴァプールとエヴァートンのマージーサイド・ダービー。この一戦は順位など関係なく白熱の戦いとなるのが常だが、それでも両チームの現状を比較すると寂しいものがある。
24日に行われたマージーサイド・ダービーはリヴァプールが2-0で勝利を収めたが、実力から考えると妥当な結果だ。現在はリヴァプールが4冠を狙っているのに対し、エヴァートンは18位と降格圏に沈んでしまっている。
もちろん以前よりリヴァプールの方が実力は上だったが、見逃せない点がある。リヴァプールにユルゲン・クロップがやってきた2015年10月から振り返ると、エヴァートンはリヴァプール以上の資金を選手補強に投じているのだ。
リヴァプールの場合はDFフィルジル・ファン・ダイクに7500万ポンド、GKアリソン・ベッカーに5600万ポンドなど、選手1人に高額な移籍金を投じてきた例はある。一方のエヴァートンは7000万ポンドも費やすような補強はないが、MFギルフィ・シグルズソンに4500万ポンド、FWリシャルリソンに3500万ポンド、MFアレックス・イウォビに3400万ポンド、DFジェリー・ミナに2700万ポンドなど、近年は積極的な補強に動いてきた。
英『Planet Football』がまとめているが、リヴァプールはクロップ就任から4億7956万ポンドを投じているのに対し、同期間にエヴァートンは5億7700万ポンドを投じている。
もっともエヴァートンの場合はDFジョン・ストーンズをマンチェスター・シティへ、MFイドリッサ・ゲイェをパリ・サンジェルマンへ、FWロメル・ルカクをマンチェスター・ユナイテッドへ売却するなど、主力の引き抜きも味わっている。その穴埋めに資金を投じてきたのも事実だが、それでもこれだけの資金を投じながら残留争いに巻き込まれている事実は衝撃だ。
2016年から指揮官がロナルド・クーマン、サム・アラダイス、マルコ・シウバ、カルロ・アンチェロッティ、ラファエル・ベニテス、現在のフランク・ランパードと、クロップ体制の下でコツコツと強化してきたリヴァプールに比べて体制の変化が頻繁に起きてきたことも関係しているだろう。
近年のサッカー界では高額な移籍金が飛び交っているが、お金だけがチーム強化のすべてではない。エヴァートンはフィットしなかった補強も多く、ライバルであるリヴァプールとの差はかなり大きなものとなってしまった。