ゴールを量産したラウタロとルカクのコンビ photo/Getty Images
ラウタロとルカクのコンビネーションに問題はない
昨夏にチェルシーへと放出したFWロメル・ルカク、契約満了でユヴェントスを退団するFWパウロ・ディバラの2人をチームに加える可能性が噂されているインテル。今季セリエAで23ゴールを奪ったFWラウタロ・マルティネスと魅惑の3トップを形成することも夢ではないが、名将アリゴ・サッキ氏はこの3人の同時起用に否定的なようだ。
サッキ氏はゾーンプレスを生み出したことで有名な監督で、80年代後半のミランに栄光をもたらした。その後はイタリア代表監督も務め、1994年アメリカW杯でチームを準優勝に導いている。
インテルで実現するかもしれない、ルカク、ラウタロ、ディバラの3トップについて、サッキ氏は自らの見解を伊『Gazzetta dello Sport』に明かした。
「現代のサッカーでは、攻守ともに常にアクティブな11人が必要です。常に動き、作戦に加わり、連携していかなければならないのです。相手にボールを奪われたときに素早く奪い返すにはこの方法しかない。この3人を出したら、ディフェンスの局面では11人ではなく8人になってしまいますがどう対応するのですか? チームは協調した動きによって成り立っています。それには犠牲の精神や選手のフィジカルが根底にあります。間違っているかもしれませんが、私はルカク、ラウタロ、ディバラがこのような資質を持っているとは思いません」
サッキ氏はこの3人を同時に出場させた際の攻守のバランスを最も懸念しているようだ。その代表的な例として、自らが携わっていた銀河系軍団を挙げている。
「2004-05シーズンにディレクターとしてレアル・マドリードにいたとき、監督をしないかと誘われたんです。攻撃陣がどのような構成だったかご存知ですか? (デイビッド・)ベッカム、ラウール(・ゴンザレス)、ロナウド、(ジネディーヌ・)ジダン、(ルイス・)フィーゴなどです。
この3人を同時に起用すれば、サッキ氏が指摘するように攻守のバランスが崩れるのはもちろんのこと、基本形だった[3-5-2]の陣形も修正する必要が出てくるはず。完成度の高かったMFハカン・チャルハノール、MFニコロ・バレッラ、MFマルセロ・ブロゾビッチの中盤トリオも形を変えることになってしまうかもしれない。もしルカクとディバラの獲得が実現した場合、シモーネ・インザーギ監督がこの難題をどう処理するのかが、来季インテルの一つの見どころとなるだろう。