PKを獲得するロッベンと、否定するメキシコの選手たち photo/Getty Images
当時のメキシコはメンバーもかなり豪華だった
ワールドカップ常連のメキシコ代表にとって大きな壁となってきたのがベスト16だ。1994年のアメリカ大会から実に7大会連続でグループステージを突破しているのだが、すべてベスト16で敗れている。
PK戦までもつれながら敗れた1994年のブルガリア戦、先制しながらも、後半に入ってからユルゲン・クリンスマンとオリバー・ビアホフに連続ゴールを許して敗れた1998年のフランス大会・ドイツ戦、延長戦の末にマキシ・ロドリゲスのスーパーゴールで敗れた2006年ドイツ大会のアルゼンチン戦も惜しかったが、最もベスト8に近づいたのは2014年のブラジル大会かもしれない。
この大会はメキシコのサッカーファンにとって忘れられないものだ。ベスト16の相手は最終的にベスト4まで進んだオランダ代表で、メキシコは1点のリードを保ったまま88分を迎えた。
しかし、オランダのウェズレイ・スナイデルに強烈な同点弾を決められると、その2分後にFWアリエン・ロッベンがペナルティエリアで転倒。主審はPKとジャッジしたが、ロッベンの転倒がダイブだったのではないかと当時も話題を呼んだ。
オランダに2分間で逆転されることになり、メキシコはあと一歩のところでベスト8行きを逃した。オランダ『Soccernews』は当時を振り返り、あのゲームではメキシコの方が良いフットボールをしていたと認める。
当時のメキシコはベテランのラファエル・マルケス(当時35)、DFカルロス・サルシド(34)を中心に、MFエクトル・エレーラ(24)、マルコ・ファビアン(24)、ミゲル・ラジュン(25)、FWハビエル・エルナンデス(26)、MFアンドレス・グアルダード(27)、FWジオヴァニ・ドス・サントス(25)らが中堅世代を迎えていた。2012年のロンドン五輪も制しており、世代的にはかなり強かったと言える。それだけに、ロッベンの疑惑のプレイからベスト8行きを逃したことに大きな悔しさがあったことだろう。
今年のカタール大会にもメキシコは出場してくるが、おそらくチーム力は2014年当時が上だろう。
もう8年も前のことだが、同メディアは未だにメキシコのサッカーファンが悔しい気持ちを抱いていると綴る。現在のVARがあればロッベンのプレイも判定が変わっていた可能性があり、今でも悔しいオランダ戦最後の2分間となっている。