スペインでは思うように活躍できないルカ・ヨビッチ photo/Getty images
クラブとしても難しい問題だ
昨季は圧倒的な勝負強さでレアル・マドリードがCLを制した。決勝ラウンドはパリ・サンジェルマン、チェルシー、マンチェスター・シティ、リヴァプールと難しいカードの連続だったが、前述した異常な勝負強さで勝ち上がり、頂点を掴んだ。
そんな勝負強さの原動力がカリム・ベンゼマである。34歳のベテランストライカーで、シーズンを重ねるごとに洗練されており、昨季は46試合で44ゴール15アシストを記録している。パフォーマンスもそうだが、怪我をしないという強みを持っており、大事な試合では彼が必ず3トップの中央に先発してくる。
ここまで揃ったストライカーがいると、控えとなる選手にはほとんどスポットライトが当たらない。昨季はベンゼマの控えとしてマリアーノ・ディアスやルカ・ヨビッチがいたのだが、リーグ戦でのプレイタイムは2人合わせて700分とかなり少ない。
英『90min』によるとセルビア代表のヨビッチは来季プレイタイムを得るために、セリエAのフィオレンティーナへローン移籍することが濃厚になっているようだ。
18-19シーズンのフランクフルトでは48試合で27ゴール7アシストと素晴らしい数字を記録したヨビッチ。ここで大きく名を揚げ、2019年にレアル・マドリードに総額6500万ユーロの高額な移籍金で引き抜かれた。
大きな期待を寄せられてスペインに来ることになるが、これが失敗だった。移籍後は継続したプレイタイムを得られず最多ゴールは19-20シーズンの2得点だ。昨季はベンチを温め続け、唯一の先発となったアトレティコ・マドリードとのリーグ戦ではこれといった見せ場はなく、後半にベンチに下がっている。
リーグとクラブを変え、心機一転を図るのはいい選択肢だといえる。
セルビア代表として参加したネーションズリーグでは4試合で2ゴールと実力は確かなヨビッチ。しかしクラブでのライバルは相性が悪く、まずは環境を変え継続したプレイタイムを得たい。