ハダースフィールド・タウン加入が決まった中山雄太 photo/Getty images
リーズやマンチェスターに近い都市だ
イングランドの実質2部であるチャンピオンシップのハダースフィールド・タウンが日本代表のDF中山雄太加入を発表した。移籍金がかからないフリーでの獲得となっており、2024年までの2年契約を結んだ。
「雄太は非常にゲーム理解度が高い。確かなクオリティを持った選手で、攻守両面で私たちのスタイルにフィットすると感じています。センターバック、サイドバック、さらには中盤でもプレイでき、チームに貢献してくれるでしょう」
ハダースフィールドの公式サイトには監督であるダニー・スコフィールドからの中山へのコメントが掲載されている。高く評価されており、とくに複数のポジションで起用できる多様性を称賛している。
17-18シーズン、18-19シーズンはイングランドのトップカテゴリーであるプレミアリーグで戦っていたハダースフィールド。18-19シーズンには降格を経験しているが、昨季はチャンピオンシップを3位で終え、昇格プレイオフの決勝にまで上り詰めた。来季もこの勢いで昇格を掴みたいが、躍進の立役者であるカルロス・コルベラン前監督が退任している。スコフィールド新監督はハダースフィールドでコーチを務めており、選手との信頼関係は問題ないといえるが、どのような影響があるのだろうか。
前コルベラン政権の話にはなるが、ハダースフィールドは[3-4-3]を基本システムとしており、チェルシーからローンで獲得していたリーヴァイ・コルウィルが3バックの左で不動の地位を築いていた。その選手がこのオフシーズンに保有元へ戻っており、同じく左利きで複数ポジションこなせる中山が後釜として獲得されたと予想できる。
スコフィールド政権での戦い方は未知数だが、先日行われたモアカムとの親善試合では[4-3-3]を採用している。3-1で勝利しており、中山であればサイドバックやセンターバックで起用されることになるか。
日本代表のことを考えれば左SBでの起用に期待したい。ズヴォレ時代はクラブで3バックの中央、代表では左SBと別のポジションでピッチに立っており、難しさはあったはずだ。ハダースフィールドではクラブと代表のポジションを統一すればよりプレイしやすくなるだろう。
イングランドの2部に日本人選手が加わるのは現セルティックの井手口陽介以来となる。井手口は海外に馴染めずリーズのトップチームではプレイしていない。その点、中山はすでに豊富な海外での経験を持っており、ハダースフィールドの公式SNSでは英語でインタビューに答える動画が公開されている。言語面での問題はほぼないと考えられ、冨安健洋に続くイングランドでの成功に期待したい。