香川とドルトムントでプレイしたバリオス(左) photo/Getty Images
37歳でスパイクを脱ぐ決断
香川真司がドルトムントでブンデスリーガ連覇を果たした際、センターフォワードには2人の名手がいた。ドルトムントから世界最高級FWへと駆け上がっていったFWロベルト・レヴァンドフスキと、元パラグアイ代表FWルーカス・バリオスである。
最初にブンデスを制した2010-11シーズン、最前線に入っていたのはレヴァンドフスキではなくバリオスだ。当時のレヴァンドフスキはまだ駆け出しの若手といった印象で、当初はバリオスの方が1番手だったのだ。
バリオスは足下の技術が柔らかく、香川との相性も良かった。2009年にチリのコロコロからドルトムントへ加わると、初年度はブンデスリーガで19ゴール、優勝した2010-11シーズンもチームトップとなる16ゴールを記録。レヴァンドフスキも8ゴールを記録したが、この頃はまだバックアッパーだった。
その後レヴァンドフスキがスタメンを奪い、バリオスは2012年へ中国へ向かうことになる。欧州で輝いた時間はそれほど長くなかったが、日本のサッカーファンの中にはバリオスを記憶している人も多いだろう。
2010年にはワールドカップ・南アフリカ大会のベスト16にて日本代表はパラグアイ代表とPK戦までもつれる激闘を演じているが、バリオスはこのゲームにもフル出場している。同年に行われたパラグアイとの親善試合にも出場しており、香川との連携を含め日本と何かと縁のある選手だ。
そのバリオスも37歳を迎え、10日に現役引退を表明した。南アフリカ大会でのパラグアイは強かったが、またその世代を知る名手がスパイクを脱ぐことになる。あの大会以降パラグアイはワールドカップへの出場がなく、寂しい時間が続いている。

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