バルセロナでも活躍したビジャ photo/Getty Images
今のスペイン代表にはいない絶対的な点取り屋
29日に行われたリーガ・エスパニョーラ第12節、バレンシアVSバルセロナの一戦にてキックインセレモニーを務めたのは、両クラブで活躍したスペインのレジェンドFWダビド・ビジャだった。
バレンシアでは226戦129ゴール、バルセロナでは119戦48ゴールとクラブシーンでの活躍も見事ではあったが、やはり最大の功績はスペイン代表にEUROとワールドカップのタイトルをもたらしたことだろう。
スペイン代表といえばラウール・ゴンザレスも偉大なるストライカーだったが、単純な数字ではビジャがスペイン代表歴代最多得点記録を保持している(59ゴール)。ラウールの44ゴールも抑えてのトップで、ビジャこそスペイン最強のストライカーと言っても問題ないだろう。
ワールドカップで12戦9ゴールの成績を残しているのも見事で、スペインがEURO2008と2010年のワールドカップを制覇できたのはビジャの功績が大きい。当時のチームはシャビ・エルナンデス、アンドレス・イニエスタを中心に中盤のテクニシャンたちがスポットライトを浴びたが、それを確実に仕留めてくれるビジャやフェルナンド・トーレスがいたからこそのタイトルと言える。
スペイン『MARCA』は改めてビジャの凄さを振り返っているが、何より目に付くのは安定感だ。まだスポルティング・ヒホンでプレイしていた若かりし2001-02シーズンより、ビジャがリーグ戦で二桁得点を達成できなかったシーズンは怪我をしたバルセロナ時代の2011-12シーズンだけだ。
サラゴサ、バレンシア、バルセロナ、アトレティコ・マドリード、ニューヨーク・シティFC、そしてヴィッセル神戸と、ビジャはすべてのチームでリーグ戦二桁得点を決めてきた。ビジャは2019年のシーズンを最後に現役を退いたが、2019年も神戸にてJ1で13ゴールを奪っている。さすがに全盛期の輝きとはいかなかったが、キャリア終盤まで大きく衰えなかった印象だ。
迫るワールドカップ・カタール大会でスペイン代表は日本代表、ドイツ代表、コスタリカ代表と同じグループEに入っている。課題となるのは、やはりストライカー問題だろう。