A・サンチェス、E・バルガス、ブラーボらチリは今もベテランが...の画像はこちら >>

今月はアルバニア、フランスと戦ったチリ代表 photo/Getty Images

2010年代の強さを取り戻せるか

2010、2014ワールドカップではベスト16に入り、2015、2016年にはコパ・アメリカを制覇するなど、2010年代のチリ代表は充実の時を過ごした。

その中心にはFWアレクシス・サンチェス、MFアルトゥーロ・ビダル、GKクラウディオ・ブラーボ、DFガリー・メデル、マウリシオ・イスラたち欧州5大リーグで活躍してきたタレントたちがいて、南米のトップを争える集団だったのだ。



しかし、その後のチリは世代交代に躓いた。前述のブラーボ、イスラ、サンチェス、さらに34歳のFWエドゥアルド・バルガスは今月の代表マッチウィークにも召集されていて、未だに彼らの世代はチリにとって特別なのだ。

その結果、チリは2018、2022と2大会続けてワールドカップ出場権を逃してしまった。なかなかチームの方針が定まらず、2018年からはレイナルド・ルエダ、マルティン・ラサルテ、エドゥアルド・ベリッソ、そして今年からは66歳のリカルド・ガレカを招聘するなど、監督交代の機会も増えた。

ガレカはペルー代表でも長く指揮を執ってきたベテランのアルゼンチン人監督で、南米の戦いは知り尽くしている。ひとまずは今夏のコパ・アメリカで好成績を残すことが目標となるが、仏『Foot Mercato』はガレカがそこまで世代交代にこだわっていないと取り上げている。
ガレカは状態の良い選手を年齢に関係なく招集していく意向で、まずはその戦い方でコパ・アメリカ上位進出を狙うようだ。

若手ではMFルーカス・アサディ(20)、FWアレクサンデル・アラベナ(21)、MFダリオ・オソリオ(20)、セサル・ペレス(21)ら国内組の中に楽しみな逸材もいる。しかし今でもチームの軸はバルガス、サンチェスといったベテランたちだ。

今月の親善試合ではフランス代表に惜しくも2-3で敗れたが、アルバニア代表との親善試合には3-0と完勝を収めた。元チリ代表のレジェンドであるイバン・サモラーノ氏はアルバニア戦の勝利を受け、新たに始まったガレカ体制に期待を懸けている。

「アルバニア戦では我々が競争力のあるチームになれること、そして目標に向かって努力するチームになれることが証明された。
私たちは何か重要なもののために戦えるチームになれるはずだ。始まりは非常に楽観的であるように見える」

まずは2010年代の自信を取り戻すことが重要だ。コパ・アメリカで上位進出となれば、その後の2026ワールドカップ南米予選にもポジティブな影響を与えられるはず。コパ・アメリカでも招集されるであろうベテランたちが意地を見せられるのか注目される。