ローマへ向かったアブドゥルハミド photo/Getty Images
ローマは右SBの人材確保に苦戦してきた
近年は欧州で活躍したスター選手が高額なサラリーを求めてサウジアラビアへ向かうケースも増えているが、サウジアラビアから欧州トップリーグへ向かう逆のパターンもある。
今夏にサウジアラビアの強豪アル・ヒラルからイタリア・セリエAのローマへ移籍したサウジアラビア代表DFサウド・アブドゥルハミドだ。
25歳のアブドゥルハミドは、アル・ヒラルでも絶対的な主力だった攻撃的右サイドバックだ。セリエAの名門ローマが獲得へ動いたことに驚いた人もいるかもしれないが、『Football Italia』はローマの救世主になるかもしれないと期待を寄せる。
ローマは長らく右サイドバックに問題を抱えており、ここ数年はブルーノ・ペレス、リック・カルスドルプ、アレッサンドロ・フロレンツィ、メフメト・チェリクらが担当してきたが、いずれもトップレベルとは言い難い。フロレンツィは攻撃的な選手ではあるが、サイドバックを本職としてきたわけではない。
同メディアはアブドゥルハミドが解決策になるかもしれないと考えているのだ。同選手が昔から憧れてきたのは、インテルやローマで活躍した元ブラジル代表DFマイコンだという。マイコンもセリエAで全てのタイトルを手にした超攻撃的ライトバックであり、アブドゥルハミドにとっては憧れの大先輩が戦ってきたセリエAの舞台へ足を踏み入れたことになる。
「アブドゥルハミドの特長の1つがスピードだ。彼はローマで大きなことを成し遂げる運命にある。セリエAにもすぐ適応できるだろう。昨年のCWCでレアル・マドリードのヴィニシウスを封じた時と同じパフォーマンスを見せられれば、憧れのマイコンに近づけるかもしれない。彼にはメンタリティ、豊富なスタミナがある。
サウジアラビアサッカー界にとっても大きな一歩で、国内リーグの盛り上がりから自国の選手を欧州トップリーグへ送り出す機会を増やしたい。それはサウジアラビア代表の強化に繋がるはずで、アブドゥルハミドは理想的な例と言えそうだ。