ローマでプレイするアブドゥルハミド photo/Getty Images
サウジアラビアサッカー界にとって大きな一歩
移籍当初はなかなか出番がなかったが、クラウディオ・ラニエリを指揮官に迎えたローマでサウジアラビア代表DFサウド・アブドゥルハミドの起用が増えてきた。
アジアのサッカーを知る人にとってはお馴染みの選手かもしれない。
初の欧州挑戦、さらに移籍したローマが大苦戦していることもあり、アブドゥルハミドにとって簡単なスタートではなかった。しかし徐々に個性を発揮し始めており、今月7日に行われたセリエA第15節レッチェ戦で1アシスト、さらに12日のヨーロッパリーグ・リーグフェーズ第6節のブラガ戦では1ゴールを記録するなど、自慢の攻撃性を発揮している。
伊『Gazzetta dello Sport』は、アブドゥルハミドの攻撃的な姿勢にローマサポーターから『カフーハミド』なんて呼び名もついていると紹介する。これはローマで活躍した元ブラジル代表の伝説的DFカフー氏と重ねたものだ。
同メディアによると、アブドゥルハミドがローマで受け取る年俸は180万ユーロ。サウジアラビア国内リーグのマネーパワーと比べると、サウジアラビアでプレイしていた方がサラリー面は良かったかもしれない。
しかしアブドゥルハミドはローマへの挑戦を選んだ。代理人のアーメド・アルムアリム氏は「この移籍はサウジアラビアサッカー界全体のイメージを変えたと信じている。おそらく他のサウジアラビアの選手たちも欧州でチャンスを得られるようになるだろう。この移籍が新たな世界への扉を開いたと信じている」と語っている。
経済的メリットではなく、スポーツ的な観点から欧州挑戦を選んだアブドゥルハミド。それも所属先が名門ローマとなれば、サウジアラビアサッカー界にとっては特別な出来事だ。今の活躍ぶりならば今後も出番は増えそうで、アブドゥルハミドはサウジアラビアサッカー界の大きな期待を背負っている。