インテルを指揮するシモーネ・インザーギ photo/Getty Images
兄も認める弟の手腕
現役時代の成績から考えれば、インザーギ兄弟では兄フィリッポ・インザーギの方が有名だろう。ユヴェントスやミランで活躍し、イタリア代表では2006年のワールドカップ優勝メンバーでもある。
ミラン時代にはチャンピオンズリーグも2度制しており、クラブワールドカップ優勝経験もある。エリア内で勝負する生粋の点取り屋であり、 そのプレイスタイルから根強いファンは多い。
ただ、指導者としては弟シモーネ・インザーギの方が何枚か上手だろう。兄フィリッポも現役引退後は古巣ミラン、ヴェネツィア、ボローニャ、ベネヴェント、ブレシア、レッジーナ、サレルニターナ、ACピサと各クラブで指揮官を務めてきたが、セリエAの舞台では良い結果を残せていない。
一方で弟シモーネはラツィオでコッパ・イタリアを制するなど評価を高め、現在はインテルの指揮官を務めている。インテルでも昨季スクデットを獲得し、2022-23シーズンにはチャンピオンズリーグで準優勝。今季もインテルはCL決勝に進出しており、3バックをベースとしたシモーネのスタイルは評価が高い。
それは兄フィリッポも認めるところで、弟のことを史上最高の指揮官の1人に挙げている。フィリッポが指揮するACピサは今季セリエBで2位に入り、来季からはセリエAに昇格する。指揮官として再びの兄弟対決が実現する可能性があり、それもフィリッポにとって特別な感覚があるようだ。
「シモーネについて驚きはないよ。弟は今や史上最高の監督の1人さ。
兄フィリッポは選手としてCLを制し、弟は指揮官としてCLを制することになるかもしれない。それぞれ得意なフィールドは違ったかもしれないが、どちらもイタリアサッカー界のレジェンドと言えよう。