新たな治療法を打ち出す可能性 Photo/Getty Images
観戦がもたらす連帯感と興奮が処方箋に
『The Independent』によると、イングランドの国民保健サービス(NHS)が、うつ病患者の治療の一環として、サッカーの試合観戦を“処方”する方針を打ち出したという。
これは、患者の社会的孤立を軽減し、精神的な回復を促すことを目的とした新たな試みである。
英国では、既に芸術鑑賞やガーデニングなどの“ソーシャル・プレスクライビング(社会的処方)”が医療現場で導入されつつあり、今回の施策もその一環となる。政府関係者は、試合観戦が「精神衛生に良い影響を及ぼす」ことを臨床的にも裏付けていると述べたという。
具体的な導入時期や試合チケットの提供方法など詳細はまだ公表されていないが、プレミアリーグを含む複数クラブが既に協力に前向きであるとも報じられている。
サッカーという国民的文化を、医療の文脈に取り入れるこの新たな取り組みが、今後どのように展開されていくのか。試合の興奮が心の処方箋となる時代は、すでに始まっているのかもしれない。