プレミア優勝経験者が有罪に Photo/Getty Images
身勝手な執着がもたらした代償
かつてブラックバーン・ローヴァーズでプレミアリーグ優勝を経験した元スコットランド代表DFコリン・ヘンドリー氏に対し、英裁判所は「暴力を伴わない嫌がらせ」の罪で有罪判決を下した。『Telegraph』など複数メディアが報じている。
ヘンドリー氏は59歳。2023年末に交際関係が破綻した女性に対し、6週間以上にわたって執拗な連絡を繰り返していたことが明らかとなった。彼は自身の電話番号をブロックされた後、非通知通話や複数のメールアカウント、さらにLinkedInを使って連絡を試みたほか、何度も彼女の自宅を訪れ、望まれていない花束や贈り物を置いていったという。
女性はこの行動に強い不安と恐怖を覚え、警察に通報。「外出することすら怖くなった」と証言している。警察から警告を受けた後も接触を続けていたため、ランカシャー警察は検察と連携し、正式な訴追に踏み切った。
プレストン地裁は2025年7月23日、ヘンドリー氏に対し12か月間の社会奉仕命令と接近禁止命令を言い渡した。これにより彼は被害女性に対し、今後一切の接触が禁じられる。
クラウン・プロセキューション・サービス北西部のナターシャ・クラーク検事は「この判決は、対面であれオンラインであれ、嫌がらせ行為に対して我々が断固たる対応を取るという明確なメッセージだ」と強調した。
なお、ヘンドリー氏本人は自らの行為を「嫌がらせとは思っていなかった」と主張していたが、裁判所はこれを退けた。元プレミア優勝経験選手の転落劇は、法と社会の境界線を越えた代償の大きさを如実に物語っている。