スポルティングCPでもプレイしたエドワーズ photo/Getty Images
アカデミー時代に騒がれた逸材は他にもいた
アカデミーでのプレイもハイレベルすぎると話題を呼んできたが、アーセナルに在籍する15歳のMFマックス・ダウマンは今夏のプレシーズンでそのポテンシャルを存分に発揮してくれた。
15歳とは思えぬテクニック、落ち着きがあり、特に7月末に行われたニューカッスルとのプレシーズンマッチで見せたドリブルは驚異的だった。
さっそくイングランドのメディアの中には、リオネル・メッシと比較するところもある。ダウマンがレフティーということもあり、そうした比較も仕方がないのかもしれない。
しかし英『GIVE ME SPORT』は、若いうちから過度な期待をかけるのは禁物と指摘。過去にも『イングランドのメッシ』なんて呼ばれながら、苦戦した才能がいたと2人の選手にスポットを当てている。
まず1人目は、マンチェスター・ユナイテッドのアカデミーにいたカラム・グリビンだ。そこまで知られた名前ではないかもしれないが、グリビンは16歳の頃にマンUトップチームのトレーニングに合流している。当時はウェイン・ルーニーやアンヘル・ディ・マリアといっうた選手がいたが、グリビンはそこでも自信があったと当時を振り返っている。
「全然場違いには感じていなかった。いつもトップチームの隣で練習していたしね。トップチームのトレーニングに昇格した際も、『ここが自分のいるべき場所だ』といった姿勢だったよ」
しかしその後は怪我などの問題も重なり、結局トップチーム定着とはならず。2019年にシェフィールド・ユナイテッドへと移籍し、そこからもFCバロー、FCユナイテッド、そして現在はノンリーグのライアンズFCに在籍している。
2人目は、トッテナムのアカデミーで国内最高傑作の1人と期待されたFWマーカス・エドワーズだ。エドワーズも2列目からの仕掛けを得意とするレフティーアタッカーであり、アカデミー時代からメッシとの比較があった。
トッテナムのアカデミーで監督も務めたテミサン・ウィリアムズも、メッシとの比較について次のように語っていた。
「トッテナムで彼を見た時、まるでイングランドのメッシといった感じだった。それほど素晴らしい選手だったし、当時から1つ上のカテゴリーでプレイしていたからね」
ただ、エドワーズもトッテナムのトップチームで活躍とはならなかった。2019年からは活躍の場をポルトガルへ移し、ヴィトーリア・ギマランイス時代には通算96試合で20ゴール14アシストを記録。良い数字ではあるが、イングランドのメッシと騒がれるような世界的大ブレイクとはなっていない。
それでもチャンスはある。今年2月からはバーンリーの選手としてイングランドに戻ってきていて、今季はプレミアリーグでの戦いだ。イングランドA代表デビューも果たしていないが、まだ26歳と中堅世代ではある。バーンリーの選手としてプレミアリーグで結果を出せば、A代表から声がかかる可能性もゼロではない。このまま代表でプレイしないとなれば、アカデミー時代の評判から考えると期待はずれのキャリアとなってしまうかもしれない。
アカデミーでどれだけ騒がれたとしても、ワールドクラスのタレントに育つとは限らない。ダウマンの才能は驚異的だが、まだ騒ぎすぎるのは早いか。
Marcus Edwards channeling his inner Lionel Messi
— ESPN FC (@ESPNFC) September 16, 2022
(via @ChampionsLeague) pic.twitter.com/J6wq89IOmM