アーセナルは「売り」が下手すぎる 大型補強の一方で今季もわず...の画像はこちら >>

放出が噂されるジンチェンコ Photo/Getty Images

史上最高売却移籍金は2017年まで遡る

FWヴィクトル・ギェケレシュ、FWノニ・マドゥエケ、MFマルティン・スビメンディら6選手を獲得し、今夏に大型補強を敢行したアーセナル。補強にはおよそ2億ポンドを費やしたとみられている。



一方で余剰選手の売却については、現状ではうまくいっているとは言えない。フリー退団の選手が多く、DFキーラン・ティアニー、DF冨安健洋、MFジョルジーニョ、MFトーマス・パルティの退団に伴う売却益は発生していない。売却益を得たのは2選手のみで、『THE Sun』によるとFWマルキーニョスを260万ポンドでクルゼイロへ、DFヌーノ・タヴァレスを430万ポンドで売却、合計690万ポンドの売却益を得ている。

これまでに、アーセナルよりも少ない売却益となっているのはリーズ・ユナイテッド(650万ポンド)、マンチェスター・ユナイテッド、クリスタル・パレス、フラム(すべて0ポンド)のみ。ランキング化すれば下から3番目となる。使ったお金と得たお金、どれほどの差があるかは一目瞭然だ。

アーセナルは余剰選手、あるいは負傷などで出場機会を失ってしまった選手を契約期間ギリギリまで保持する傾向があり、これまでもMFアーロン・ラムジー、FWアレクサンドル・ラカゼット、DFダビド・ルイスなどが契約終了とともに移籍金を残さずチームを去った。

また、選手が契約解除となるケースも目立っている。FWアレクシス・サンチェス、MFメスト・エジル、DFエクトル・ベジェリン、MFヘンリク・ムヒタリアン、FWピエール・エメリク・オバメヤンなどが契約期間の途中で契約を解除しチームを去っており、こちらも当然ながら移籍金は発生していない。オバメヤンのように選手自身に問題があったケースもあるとはいえ、これほどの面々をまったく売却益に変えることができていないのは痛い。

これまで最高の売却益を記録したのは2017年にリヴァプールへ移籍したMFアレックス・オックスレイド・チェンバレンで、3500万ポンドであったといわれている。もちろん大金には違いないが、昨今の選手価格の高騰、アーセナルが補強に費やしてきた価格を考えれば微々たるものだと言わざるを得ない。


今夏、売却の対象とみられるのはDFヤクブ・キヴィオル、DFオレクサンドル・ジンチェンコ、MFファビオ・ビエイラ、MFアルベール・サンビ・ロコンガ、FWリース・ネルソンらだが、キヴィオル以外はチェンバレンを超えるような移籍金は期待できそうもない。しかし全員を売ることができれば1億ポンドほどの収入になる可能性があり、上記の収支は改善できる。移籍市場が閉まるまでの10日あまり、アーセナルは今度は“売りオペ”に集中しなければならない。

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