アラダイスはアンディ・キャロルのような大型FWを好んできた photo/Getty Images
ポゼッションにこだわる時代に終わり
一時期のポゼッションにこだわっていた時代に区切りがつき、現代サッカーはダイレクトな展開を好むチームが増加傾向にある。現在のイングランド勢は特長的だが、マンチェスター・ユナイテッドFWベンヤミン・シェシュコ、アーセナルFWヴィクトル・ギェケレシュ、マンチェスター・シティFWアーリング・ハーランド、リヴァプールFWウーゴ・エキティケ&アレクサンデル・イサクのように、190cmオーバーの大型センターフォワードを擁するチームも増えた。
さらにロングスローも当たり前の武器になりつつあり、多くのチームが積極的にロングスローを活用している。これもポゼッション率にこだわっていた時代との大きな違いだ。
このトレンドを受けて英『BBC』は、「サム・アラダイスの時代に戻っていないか」と取り上げている。アラダイスはボルトンやウェストハム、ニューカッスルなどで指揮官を務めてきた人物で、ロングボール戦術を好む指揮官と言われてきた。
ポゼッション重視の時代には合っていなかったとも言えるが、今ならアラダイスのサッカーがフィットするかもしれない。同メディアにて、アラダイスは各チームが賢明な判断をベースにチームを組み立てるトレンドが戻ってきたのかもしれないと語っている。
「当時はよく批判されたよ。特にビッグクラブ、報道陣からの評価は良いものではなかったね。しかし、たまにはFWが前線で積極的にプレイしているのを見るのも良いものだ。過去3、4年ほど、FWの選手たちは最前線で『いつボールが来るんだ』と言っていたのだから。これからは4年前ほどFW陣が退屈することはないだろうね」
「ビルドアップも変化している。自陣でボールを失えば、失点に繋がる確率は高くなる。
現代の大型FWは足下が器用な選手も多く、イサクやハーランドなど驚異的なトップスピードを備えた選手も多い。ここはアラダイスの時代との変化とも言えるが、再びフィジカル的なプレイが重要視されるようになったのは間違いない。トレンドは巡るもので、イングランドでもキック&ラッシュの展開が増えていくことになるかもしれない。