「投資」という言葉を聞くと、どのようなイメージを思い浮かべますか?「お金を増やせるチャンスがある」というポジティブなイメージを挙げる人もいれば、反対に「損をしそう」と感じる人もいるのでは。
せっかくコツコツと積み立てた投資で損をするのは、誰だって避けたいですよね。
■日本人が「投資なんて儲からない」と考える理由は?
ほかの国と比べ、日本では「投資は儲かる」と考える人が少ない傾向にあります。それには、「日本株の低迷」による影響が考えられます。
日本株が低迷をしているのは、30年ほど前からのこと。もし平成元年に日経平均株価に投資したとすると、30年経った今では半分の価値になっています。その一方、米国株やドイツ株に投資していた場合は、30年間で10倍の価値が得られます。
資産の半分以上を投資に充てているアメリカ人やドイツ人に比べ、日本人が投資するのは資産の10%以下という低さです。これらの状況から、日本人は「日本株が低迷し続けてきたこと」、そして「投資の知識を学ぶ機会の少なさ」によって投資に対して消極的になっていると考えられます。
■平成30年に毎月つみたて投資したらどのくらい損をした?
投資を考えている人が気になることと言えば、「損をするかどうか」ではないでしょうか。そこで、平成30年に毎月つみたて投資をしていたら、どのような結果だったのかを確認してみましょう。
運用パフォーマンス計算の前提は以下の通りです。
・平成30年1月から毎月1万円をTOPIXのインデックスに投資をする
・毎月末(営業日)のTOPIXの終値で購入(12月分は12月25日に購入したとする)
・総資産を計算するTOPIXの株価指数は平成30年12月25日終値ベース
・売買手数料及び買付手数料は考えない
・信託報酬は考えない
毎月1万円を投資する前提なので、1年間に12万円を投資したことになります。
平成30年1月末のTOPIXは1837ポイントでしたが、12月25日には1416ポイントまで下落しています。年間を通じて見てみると全体的に右肩下がりの相場となり、TOPIXの毎月の購入数量は年後半にかけて増えきました。
その結果、今年から投資した資産金額の合計は9万9601円に。投資金額合計の12万円のうち、約17%分の資産が減ったことになります。
■「つみたてNISA」について学ぶ
平成30年1月からスタートした「つみたてNISA」。
「つみたてNISA」は、日本に住んでいる20歳以上なら誰でも利用でき、投資できる上限は毎年40万円までと決められています。非課税期間は20年と定められているため、上限額を投資し続けると合計800万円の投資ができます。
また、対象となる商品は金融庁の厳しい基準をクリアした投信、ETFのみ。「つみたて」という名前の通り、一括で買うことはできません。
一定額を継続的に購入する必要がありますが、その頻度は毎月・毎日・隔月でも可能です。
■まとめ
ここ30年の日本株の状況だけ目を向けると、投資に対してマイナスのイメージを持ってしまうかもしれません。もう少し視野を広げてみると、投資に対するイメージも変わっていくでしょう。
投資に初挑戦する方は、初心者の方にもおすすめの「つみたて投資」から始めてみては。短期間のシミュレーションは損をする結果が出てしまうかもしれませんが、中長期に取り組めばいい運用パフォーマンスが得られる可能性も十分あります。