■接客改善コンサルタントが見た事例集
買い物をしようと店舗に足を運んだとき、対応してくれた販売スタッフの営業トークや態度に呆れてしまったという経験はありませんか? 突然の出来事にどう対応していいのかわからず、気分を害してしまったという人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、接客改善業務に携わる関係で多くの販売スタッフの対応を見てきた筆者が、「ドン引き&ア然」な営業対応の事例を紹介。
■プライベートをしつこく詮索
会話を盛り上げるためなのか自分自身の興味なのか、プライベートについていろいろと質問してくる販売スタッフもいます。
Aさんのケース
「商品を買って会員カードを提示したら、カード情報を見て『家、近所なんですね』とか言われてドン引き! 別に深い意味はないのかもしれないけど、気持ち悪い。もう二度とあの店には行かない!」
Bさんのケース
「電気屋さんに行ったとき、会話を盛り上げるためか『ご主人様ですか?』『ご結婚されたばかりなんですか?』と、商品の説明にまったく関係ないこと聞かれてキモかった…」
大抵の場合はとくに問題はありませんが、個人情報をメモして収集するようなスタッフもいるため、知られたくないようなことは笑ってはぐらかすといいでしょう。
また、商品説明や配送に関係がないにもかかわらず、家の住所や職場の住所について聞かれた場合には、販売スタッフの名前や特徴をよく覚えて、警戒しておきましょう。
■専門用語の連発&口を挟む隙を与えない
説明をはじめたら最後、専門用語を得意気に並べ、こちらが話す隙もないほどしゃべり倒す販売スタッフもいます。
Cさんのケース
「どのパソコンがおすすめかを聞きたかったのに、専門用語ばっかり使うから、結局よくわからなかった」
Dさんのケース
「聞きたいことがあったのに、店員さんがマシンガントークするから、途中で聞きたかったことを忘れてしまって最悪でした。帰ってから思い出し、電話して聞く羽目に」
専門用語を連発されたり畳みかけるように話されると、わからないことがあっても尋ねにくいものです。しかし、納得のいかないまま商品を購入すると、不満や後悔につながります。
販売スタッフがマシンガントークをしていても割り込んで、やさしく説明してほしい部分や納得のいかない部分について尋ねることをおすすめします。
専門用語を初心者にでもわかりやすく説明するのが、本当のプロ。納得のいく説明が受けられない場合には、その場から一度離れ、別のスタッフに声をかけて対応してもらいましょう。
■切羽詰まっている感がヤバい
「ノルマ達成のために必死?」と疑いたくなるような、切羽詰まった様子で商品をすすめてくる販売スタッフも少なくないようです。
Eさんのケース
「買うのをやめようとしたら、さっきまで満面の笑みを浮かべてやさしそうだった表情と口調が一変。『どうして買わないんですか? こんなに良い商品、もうないですよ!』と強い口調で言われ、威圧感を覚えてドン引き!」
Fさんのケース
「中古車買い取りの会社で売却を断ったら、『どうしてですか?』『一般的にはこの価格なのに、上乗せして払うって言ってるんですよ。何が引っ掛かってるんですか?』と切羽詰まった様子で迫られ、一気に売る気がなくなりました」
こういったケースの場合、本当に得だからと力を入れて説明してくれていることもありますが、多くの場合はノルマ達成のためです。「少し考えたい」と伝えて不機嫌になるような販売スタッフは、問題アリと言えます。
考える隙を与えず返答を迫って契約をさせるような販売方法もありますので、切羽詰まった印象を受けたときはとにかくその販売スタッフから離れて冷静になってみてください。
■態度が横柄&挙動不審
販売スタッフが、下記のように態度が大きい場合や挙動不審な場合にも、無意識にあなたを「大切なお客様」として扱っていないというケースが少なくありません。
- 無表情
- 笑顔がない
- 「~っス」など、語尾が丁寧ではない
- カラダがこちらに向いていない(商品を手に取って説明しているとき、正面より若干斜めの姿勢のときは除く)
- 落ち着きがなく、常に周囲をキョロキョロ見ていて視線が合わない
- 体が反り返り、威圧感がある
- テーブルの上に肘をついている(テーブル説明の際)
説明の内容も乏しく、商品のおすすめ理由なども具体的でない場合には、一度そのスタッフから離れて別のスタッフに対応してもらいましょう。
ただし、このような販売スタッフの場合、小さい頃からのクセや態度が抜けないままという場合もあるため、説明の内容をよく聞いて判断するのがおすすめです。
態度はイマイチでも、商品についてはよく研究していて、おすすめポイントや購入するメリットが具体的でわかりやすいというケースもあるものです。
■聞かないと答えない
会話の適切な間を取っているのではなく、こちらが聞くまで一切何も答えないという販売スタッフもいます。
会話をしているのに終始だんまりで通されるとア然としますが、営業担当者や販売スタッフの中にも他人と接するのがあまり得意ではない人もいます。
ただ、こういう販売スタッフも、「態度が横柄&挙動不審」の項目で紹介したように、商品をよく研究し、おすすめポイントや購入メリットを具体的に説明してくれる場合があります。
「この商品のおすすめポイントはどこですか?」「他の商品と比較したときの購入メリットは何ですか?」などと、こちら側から具体的に尋ねてみましょう。
もし、販売スタッフから具体的でわかりやすく、納得のできる説明があった場合には、担当を変えずに説明を進めてもらうという選択肢もアリと言えます。
■まとめ
「ドン引き&ア然」な対応をする販売スタッフの場合、お客様に対して誠実でないなど注意が必要なケースも少なくありません。
もし、今回紹介したような対応をする販売スタッフに当たってしまった場合には、そのスタッフをよく観察してみましょう。「聞きにくい」「言いにくい」などと遠慮して商品を購入することは、あなたのためとは言えません。