最近では、若い世代における未婚化が注目を浴びています。かつては「家のために結婚する」という価値観が広く存在していた日本ですが、そのような考えはどのように変化していったのでしょうか。

現代の若者の結婚観や、その背景に迫ってみましょう。



■有名人の早婚増加!今の10代の結婚観とは



まずは、10代の男女が結婚に対してどのようなイメージを持っているのかをみてみましょう。



日本財団は、全国の未婚の17歳~19歳男女800人に対して、『18歳意識調査』を実施しました。その結果、「あなたは将来、結婚したいですか?」という問いに「結婚したい」と回答したのは、男性の72%、女性の77.8%でした。



また、自由回答にはさまざまな意見が寄せられています。それぞれの立場ごとの意見を聞いてみましょう。



【結婚したい派】

・永遠に1人はイヤ。未婚は生活しにくいと感じる(女性)



・家庭をもって、子どもを育てたい(女性)



・彼女となら生涯をともにしたい(男性)



【結婚したくない派】

・もう2次元の女の子と結婚している(男性)



・他人と一緒に住みたくない。子どもにはなにかとお金がかかるし(女性)



・ジャニーズの人に本気で恋しているので(女性)



・自分の性格を考えると、誰かと一生を共にできそうにない(女性)



現代の若者でも8割近くの人が結婚を前向きに考えていることが分かりました。また、「結婚は好きな人とするもの」という前提の理由も多くみられます。



雑誌『S Cawaii!』を卒業した「ちぴ」の愛称で親しまれているモデルの近藤千尋さんは、25歳で結婚。その『S Cawaii!』では「20代のうちに結婚する方法」という特集も組まれています。

最近だと女優の武井咲さんは23歳、川栄李奈さんは24歳と、20代半ばで結婚する有名人も多く、「早めに結婚したい」と考えている人も多いのかもしれません。



その一方、結婚をしたくない人は、恋愛そのものに抵抗があるというより「他人と暮らすことに抵抗がある」「すでに2次元やアイドルに恋をしている」という事情があるようです。



■未婚男女が考える「結婚しない理由」



続いては、晩婚化が進んでいる40~60代に焦点を当てていきましょう。明治安田生活福祉研究所が40~64歳の男女1万2,000人に対して実施した、「人生100年時代の結婚に関する意識と実態」をもとにみていきます。



この調査の結果、40~60代の未婚男女が「考える未婚化の理由」の1位は「結婚はあくまでも選択肢のひとつであって、結婚を望まない人が増えてきたから」、2位は「社会全体の雇用・収入が良くない」となりました。



これまでは「結婚して子どもをさずかることこそが幸せ」という考えが根付いていましたが、最近ではあらゆる価値観が混在しています。「こういう生き方が幸せだ」と決めつけず、1人1人の幸福の基準を大切にしていきたいですね。



■「結婚は足かせ」という古い価値観



現代でも、結婚は大きな決断の1つです。男性もそうですが、とくに女性は妊娠・出産なども考えると人生を左右する出来事となるはずです。



結婚をしなくても幸せになれますし、結婚をしたからこそ辛い経験をする場合だってあります。



ですが「結婚をしたから何かを諦める」ということは、少なくなってきた時代なのではないでしょうか。もちろんゼロではありませんが、結婚をしても仕事を続けられる環境は整いつつあります。

むしろ、男女ともに一生働き続けることは必須という人が増えている状態です。



そうであるならば、早めに結婚・子育てを開始して戦略的にキャリアを築く。これも1つの選択です。



また、東日本大震災の経験や社会情勢の目まぐるしい変化など、現代人の不安は大きなものなのかもしれません。「高収入の男性と結婚したい」「きれいな女性と結婚したい」と、より良いパートナーを求めるよりも、今一緒に困難を乗り越えてくれるようなパートナーと結婚したいと思っている人が多いのかもしれません。



■まとめ



未婚化が進んでいるものの、「いつか恋愛をして結婚をしたい」と考えている若者が多く存在していることが分かりました。結婚観や幸福感において、正解・不正解はありません。「結婚しなかったから終わり」でも、「結婚したから終わり」でもありません。



働き方や生き方が多様化している現代だからこそ、「自分にとっての幸せな生き方はなにか」を考えておきたいですね。



【参考】



『18歳意識調査( https://www.nippon-foundation.or.jp/what/projects/eighteen_survey )』日本財団



『2018年 人生100年時代の結婚に関する意識と実態』明治安田生活福祉研究所



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