国税庁の『平成29年分民間給与実態統計調査結果( https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2018/minkan/index.htm ) 』によると、日本の給与所得者の平均年収は494万円です。一般的に高収入の職種というと、医者や弁護士、税理士というイメージがありますが、サラリーマンの中にも年収1000万円を超える人が約4%存在します。
どのような業種に就職することで高所得を実現できるのでしょうか。日本の富裕層と呼ばれるお金持ちの実情について見てみましょう。
■年収1000万円を手にする業種とは
東洋経済オンライン『総合職の平均年収が高い会社ランキング300( https://toyokeizai.net/articles/-/265961 ) 』によると、年収1000万円以上の企業は52社あり、業種別では上位10社のうち5社が総合商社となっています。そのほか不動産業や建設業、メディア関連、大手金融、ビール・飲料など、知名度の高い大手企業が常連となっています。
■年収1000万円のカギは規制産業!?
高年収の人気企業については、新卒枠も非常に厳しいはずです。そこで一定のキャリアを積んでから転職するという方法もあります。トップ企業だけでなく、規制分野の産業も検討してみましょう。
規制産業とはインフラや金融、通信、医療など、事業推進に免許が必要であったり、行政監督が厳しい等の特徴をもっていたりする業種を指しています。国税庁の「平成29年分民間給与実態統計調査」によると、業種別の平均給与が高い順に規制産業が上位を占めています。
電気・ガス・熱供給・水道業…747万円
金融業・保険業…615万円
情報通信業…599万円
これらの企業には関連会社も数多くありますので、転職の可能性も広がります。中途採用の給与について新卒入社組とは別体系という企業も多いため採用情報の精査が必要ですが、社会人経験者枠で能力を活かせる可能性も考えてみましょう。
■憧れの「ミリオネア」は日本にどのくらいいる?
高い収入を得たい、お金に余裕のある生活を送りたい、と誰もが願うと思います。
富裕層の定義とは
野村総合研究所では「富裕層」などを以下のように定義しています。この定義によると「富裕層」とは、金融資産が1億円以上の層を指していることが分かります。
超富裕層 :世帯の純金融資産保有額が5億円以上
富裕層 :世帯の純金融資産保有額が1億円以上5億円未満
準富裕層 :世帯の純金融資産保有額が5,000万円以上1億円未満
アッパーマス層 :世帯の純金融資産保有額が3,000万円以上5,000万円未満
マス層 :世帯の純金融資産保有額が3,000万円未満
純金融資産とは預貯金、株式、債券、投資信託、一時払い生命保険や年金保険などを指しており、不動産は含まれません。そのため、不動産の資産価値を加味した場合には、富裕層に属する世帯数はこのデータよりもかなり増えると見込まれます。
日本の「富裕層」の割合は?
野村総合研究所が2018年12月に発表した「野村総合研究所、日本の富裕層は127万世帯、純金融資産総額は299兆円と推計( https://www.nri.com/jp/news/newsrelease/lst/2018/cc/1218_1 )」によると、日本の富裕層・超富裕層の世帯数は計127万世帯で、富裕層118.3万世帯、超富裕層8.4万世帯という内訳になっています。これは日本の全世帯数の約2%にあたり、富裕層の人々がごく限られた層であることが分かります。
また、クレディスイスが世界の富裕層の動向をまとめた「2018年グローバル・ウェルス・レポート( http://file:///Users/nakamurakaori/Downloads/2018-10-29-global-wealth-report-press-release-jp%20(1).pdf )」のによると、日本で100万米ドル(1億円超)以上の資産を持つ「ミリオネア(百万長者)層」は約280万人、世界では米国と中国に次ぐ第3位であると発表されています。また、5,000万米ドル(約55億円)以上の純資産を持つ「超富裕層」の個人については3,850人で、世界第5位と評価されています。
■さいごに
大手総合商社や金融などの業種で働くことで、サラリーマンでも高収入を得る機会が巡ってきます。収入アップのために転職するのも方法の1つですし、世帯年収を上げるために共働きをする、投資を視野に入れてみるなどの方法もあります。富裕層を目標に、将来に向けて方法を探ってみましょう。
【ご参考】貯蓄とは
総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。