突然ですが、みなさんは読書をどれくらいしていますか?
読書というと勉強のように感じる方もいるかものしれませんね。ですが、読書を通して自分の体験したことのない世界や、いろいろな価値観に触れられるので、何かを学ぶという点でとても効率のいい方法なのです。
会社の先輩や上司と飲み会の席で話すことや、実際の仕事や子育ての経験など「経験から学べる」ことは多いのですが、実は「経験しなくても学べる」のです。
家の中で本を読むだけで、多くの人の失敗や成功、価値観、考え方に触れることができ、自分の人生に活かすことができます。
そこで、今回は「年収と読書の関係を示す調査」と「読書が年収アップにつながることを示す研究」から読書の大切さを確認し、そこから簡単な読書の始め方についても解説していきたいと思います。
■年収別の読書事情
2019年10月のパーソルキャリア株式会社による「今どき1,000 万円プレイヤーの『読書事情』を徹底調査」では、以下のような結果が明らかになりました。
- 「月に1冊以上本を読む人」の割合は、年収1,000万円層では63.4%、平均年収層では55.4%。
- (「月に1冊以上本を読む人」の中で)ビジネス書を読む人の割合は、年収1,000万円層に多く、平均年収層の約3倍
- (「月に1冊以上本を読む人」の中で)漫画を読む人は平均年収層に多く、年収1,000万円層の約8倍
つまり、「年収の高い人はよく本を読み、さらに漫画などよりもビジネス書を好んで読む」ということがわかります。
忙しくて読書をする時間が取れないという人もいるかもしれませんが、世界で最もお金持ちの一人として知られるビル・ゲイツは、本を読むための時間を一定期間もうけ、小屋に引きこもってひたすら本を読むそうです。
彼は、何か新しいことを始めるときは限界まで本で情報収集をして、そのうえで他人とビジネスを始めるといいます。
このように世界を飛び回るビジネスマンでも時間をやりくりして本を読むくらいなので、きっと私たちにも工夫すれば1日15分や30分程度は本を読む時間をつくれるのではないでしょうか。
■「本を読むと年収が上がる」ことを示す研究
では、本当に読書をすると年収が上がるのでしょうか?
東京大学大学院の心理学者である秋田喜代美教授らによる「子どもの頃の読書が成人の意識・意欲・行動に与える影響」という論文では、子供のころの読書の充実が成人してからの個人年収に影響を与える可能性が示唆されています。
さらに、子供のころの読書の充実が、成人してからの自己の意識・意欲・行動においての心理的な充実にかかわっていることも明らかになっています。
「自分は子供のころに本を読んでこなかった…」とがっかりすることはありません。
何かに挑戦する前に、本を読んで多くの人の失敗や価値観を学ぶことで、自分のやりたいことに対しても前向きな意欲がわいてくるかもしれませんね。
■明日から読書を始めるための簡単な方法
それでは、三日坊主にならないための読書法を紹介していきます。
今まで読書習慣がなかった人が、明日から机に向かって本を開くことはなかなかハードルが高いですよね。三日坊主にならないための読書には、ずばり「オーディオブックを使う」というのが良いでしょう。
「本を読む」という行為の中で最も大切なことは「自分の体験したことのない世界や、いろいろな価値観に触れられる」ことです。
また、心理学では1.5倍速や2倍速で聞くと集中力が高まることが分かっているので、オーディオブックで少し早めに聞いてみるのもいいかもしれませんね。
ちなみに、オーディオブックはスマホのアプリで配信されているのですが、もし「本を読む」ことを好むのであれば、もちろんそれでも問題はありません。
しかし人によっては、実際に本を読むと眠たくなるなど集中力が切れやすくなるので、「朝起きてすぐ10分読む」など時間を決めて集中して読むと効果的です。
というのは、人間の脳は「朝起きてすぐの状態が1日の中で最も集中力の高い状態である」というのとが脳科学で明らかになっているからです。
■まとめ
転職をしたり資格を取得するといったように、読書をするとすぐさま年収がアップするというわけではありません。
まずは、本記事で紹介した、
- オーディオブック(倍速で聴くとさらに効果的)で本を聴く
- 「朝起きてすぐの10分間」で本を読む
というようなことから、始めてみてはいかがでしょうか。
【参考】
「子どもの頃の読書が成人の意識・意欲・行動に与える影響( https://www.jstage.jst.go.jp/article/sor/58/1/58_29/_pdf/-char/ja )」(読書科学 第58巻 第1号)
「今どき1,000 万円プレイヤーの『読書事情』を徹底調査( https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000049018.html )」(パーソルキャリア株式会社)