みなさんは、メガバンクの三菱UFJ銀行が「口座管理手数料」の導入を検討していることをご存知でしょうか?



2019年12月に複数メディアによって「三菱UFJ銀行は2年間取引がない不稼働口座に手数料をかける検討に入った」と報じられています。ちなみに手数料は年間1,200円という案が軸となっているようです。



こちらは2020年秋以降に新規で口座開設をした預金者が対象になっており、既存の口座は対象外とされているので、現在保有している口座についてはひとまず安心ですね。



ただ現時点では対象口座が限定されていますが、将来はすべての口座に対して口座管理手数料がかかってくるという可能性もゼロとは言い切れないでしょう。



また、メガバンクの中で口座管理手数料を導入する銀行が出てきたとなると、他行も口座管理手数料ビジネスに参入しやすくなる懸念もあります。ですので、この機会にあらためて自分が保有している銀行口座について見直しをしてみてはいかがでしょうか?



本記事では、メガバンク・地方銀行などさまざまな銀行がある中で「ネット銀行」での口座開設を取り上げます。その理由を1つずつ見ていきましょう。



■① 手数料が優遇されるATMが多い



ネット銀行は自社ATMを持っていない一方で、コンビニATMなどと数多く提携しています。

よって、利用するネット銀行とATMの相性によっては入出金や振込などにかかる手数料が優遇されることがあるのです。



たとえば“コンビニや他行のATM手数料は月〇回まで無料”というようなお得なサービスは、ネット銀行の特徴かと思います。



メガバンクだと、基本的には自社ATMと一部対象のATM以外のATMを利用する場合は、手数料が発生することが多くなっています。そのため手数料を節約しようとすると、コンビニのようにあちらこちらに設置されているとは限らない対象のATMを探す必要があります。この点を不便に思われたことがある方も多いのではないでしょうか?



しかしネット銀行の場合は、コンビニなら外を歩けば至るところにありますし、ほとんどのコンビニにはATMが設置されているので、ATM利用の利便性はとても高いと言えます。1回数百円の手数料ですが塵も積もれば山となりますので、ATMの使いやすさは日々の節約のためにも重要なポイントですね。



■② 預金金利が高い



ネット銀行はメガバンクと比べると預金金利が高いということをご存知でしょうか?



下図は、銀行数社の円普通預金金利です(2020年1月13日現在)。①~③はメガバンク、④~⑥はネット銀行になります。



普通預金金利(2020年1月13日現在)



節約の達人が伝授!「ネット銀行はメガバンクよりお得」な理由

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出典:銀行各社HPを参考に編集部作成



普通預金金利のメガバンクとネット銀行の金利の差は歴然ですよね。また、定期預金金利を見ても同様のことが言えます。一方で住宅ローンの金利は低めに設定されているので、実はネット銀行は利用者にとって非常にありがたい存在なのです。



なぜネット銀行はメガバンクよりも高い金利を設定できるのか?と疑問に思う方も多いと思いますが、これはネット銀行がメガバンクのように多くの実店舗を持っていないということが関係しています。



というのは、実店舗を持つと家賃や光熱費、人件費など店舗を運営するためにさまざまなコストが発生します。一方でネット銀行は多くの実店舗を展開しておらず、最低限のオフィスと社員を抱えてビジネスを行っています。



したがって店舗の運営コストが小さいため、メガバンクよりも預金金利を引き上げて設定することが可能になるのです。



このようなネット銀行の利益構造から考えると、上記で触れたような口座管理手数料は、ネット銀行ではメガバンクほど焦って導入されるものではないかもしれません。



「預金金利といっても雀の涙でしょ」と思いがちですが、みなさんの大切な資産を長期間にわたって預け入れることになるのですから、将来の資産形成のためにも最善の選択をしていきたいですね。



■③ ポイント還元を受けることができる



なんとネット銀行ではポイントプログラムが設定されていることが多く、銀行によってはポイント還元を受けることも可能です。



内容は各ネット銀行によって異なりますが、たとえば以下のような場合にポイントを貯めることができます。



  • 口座にて給与・賞与・公的年金の受取
  • 口座振替
  • 預金残高が〇万円以上
  • 毎月の取引件数が△回以上
  • 他行への(からの)振り込み

このように、自分のメインバンクとして日常的に利用すればポイントが貯まるシーンはかなり多そうです。また貯めたポイントは現金やマイルに交換したり、振込手数料やデビットカードの支払いにあてるなど有効に活用できます。



前述したように預金金利が高いだけでも十分魅力的なのに、さらにポイント還元を受けることができるとなるとお得感がありますね。



■まとめ



すでにネット銀行を利用しているという方も多いかもしれませんが、あらためてネット銀行の魅力にお気付きいただけたかと思います。



ネット銀行では「新規口座開設でポイントプレゼント」など、キャンペーンを実施していることも多々あるので、今までネット銀行口座を活用してこなかった方もお得に口座開設をすることができます。



冒頭でご紹介した口座管理手数料についても、ネット銀行なら今後100%導入されないというわけではありませんが、収益構造上から直近での導入は考えにくいと言えます。しかも金利やポイントの還元など、ネット銀行に預金することで得られるメリットも大きいので、日々の節約や資産形成の面からもおすすめです。



今こそ、保有している銀行口座の見直しとネット銀行の口座開設を検討してみてはいかがでしょうか?



【参考】
・「不稼働口座に手数料 三菱UFJ銀行、20年秋にも年1200円( https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53004060V01C19A2MM8000/ )」(日本経済新聞)
・「円預金金利( https://www.bk.mufg.jp/ippan/kinri/yen_yokin.html )」(三菱UFJ銀行)
・「円預金金利( https://www.smbc.co.jp/kojin/kinri/yokin.html )」(三井住友銀行)
・「円預金金利( https://www.mizuhobank.co.jp/rate_fee/rate_deposit.html )」(みずほ銀行
・「円普通預金( https://www.netbk.co.jp/contents/kinri-yenfutsu/ )」「スマプロポイントについて( https://www.netbk.co.jp/contents/lineup/smartprogram/point/ )」(住信SBIネット銀行)
・「預金金利(定期預金他):個人口座( https://www.rakuten-bank.co.jp/interest/details.html#anchor-01 )」「ハッピープログラム( https://www.rakuten-bank.co.jp/happyprogram/ )」(楽天銀行)
・「金利一覧( https://www.aozorabank.co.jp/bank/kinri/ )」(あおぞら銀行BANK支店)
・「ポイントサービス( https://gmo-aozora.com/service/point.html )」(GMOあおぞらネット銀行)